ベトナム北中部・クアンビン省などで洪水 住宅などが浸水、道路も寸断

14~17日にかけての大雨で、ベトナム北中部のクアンビン省などで大規模な洪水が発生し、数万戸の民家などが浸水した。これまで判明した死者・行方不明者はクアンビン省だけで5人。隣接するハティン省とゲアン省では上流の水力発電所が大量放水して下流域が洪水になるなど、複数の省にまたがって交通やライフラインが寸断されている。



クアンビン省では、2日以上にわたって大雨が降り続き、省内で数千戸の民家が浸水の被害にあった。一帯の交通システムは完全に遮断された。

タン・ホア地区では約600戸が浸水。水の深さは約50センチから、もっとも深い所では水深約3メートルにも達した。ミン・ホア地区でも160戸の家が深さ2メートルの水に浸水、フー・ニエウ村では水が高さ2.5メートルまで達した。

ミン・ホア地区の大通りであるホーチミン道路も水に沈み、川と化した。交通システムの分断により、人々も移動や避難が出来ず、被害の全容もつかめない状態という。

山間部に近いトエン・ホア地区では、14日の午後までに、約3500戸の家が浸水した。数百軒の家の住民らは、安全な場所に避難したという。

 

場所によっては、水の深さは大人の背丈近くにまで達した。浸水によって湖のようになった地区を、ボートを使って避難する住民の姿も見られた

また、ボーチャック地区でも、4500戸が浸水の被害を受けた。これらの各地区の人民委員会が住民らの避難などの対策をとっており、ボーチャック地区では現在、約1500戸の住民が避難している。

クアン・ビン省を縦断する通る鉄道も浸水の被害を受け、鉄道はすべて運休している。

 

あちこちで道路も分断され、往来ができなくなっている。

 

クアンビン省では川の氾濫で畑や住宅地などへ水があふれ出て、まるで湖のようになった。

一方、ハティン省、ゲアン省などでも被害が続出。ベトナム中央気象予報センターによると、ハティン省のガン・サウ川とガン・フォ川では、大雨の影響で、上流域で水が警戒水域を越えた。一方、ラー川とガン・サウ川、カー川では下流で水かさが増した。上流の発電所などからの大量の放水が大きく影響したとみられる。

10月15日の午前4時までに、ガン・サウ川がチユ・レ地区で水深15.64メートルを計測し、警戒レベルを超え、浸水の被害が発生した。他の川や流域でも水量が増え、警戒が高まった。

 

ハティン省のフォンケー地区ロック村やフォントイ村では大規模な洪水が発生し、公安当局がボートなどを運んで警戒にあたった。

 

多くの住民が自宅から身動きできない状態に。

 

ハーリン村の 国道15A号線では土砂崩れが発生し、道路が片車線ふさがれた。

 

ハー・フイ・タップ校(カン・スエン地区)=写真㊤=など、学校や公共施設も水に浸かった。ハティン省では、大雨と洪水の影響で、13の学校が休校となった。

 



ゲアン省のヴィン市の中心部も浸水し、市民の生活もマヒした。