疫病によってトマトの収穫量が減ったため、トマトの価値が高騰している

市場調査の結果によると、ベトナム全土で、市販されるトマトの価格が高騰しているという。産地に疫病が広がり生産が減ったのが主な原因で、種類によっては昨年同期比で約3倍にまで跳ね上がっているようだ。

第1種とよばれる品種のトマトは、市場価格が1キロあたり1万3000~1万5000ドン、第2種のトマトは1キロあたり1万ドンとなっているという。

トマトの価格高騰の理由は、この2カ月間に、トマトの葉が巻いてしまうウイルス性の疫病、葉巻病が流行し、トマトの生産・流通量が急激に減ったためだ。

トマトの産地であるラムドン省のドンズォン村カドンでトマト農園を営むヤー・ニー氏の農園では、「畑の約70%のトマトが葉巻病になった」と話す。病気の影響で皮が硬く、表面がデコボコになるなど商品にならない状態の作物が増え、収穫量が大幅に減ったという。

ラムドン省は、トマト栽培の中心地のひとつで、今年は省内の約2000ヘクタールでトマトが栽培された。しかし、このうち1800ヘクタールで葉巻病が広がり、347へクタールで特にひどい状態。72ヘクタールのトマトを処分しなければならないと見込まれている。

葉巻病は効果的な農薬がないため、まだしばらくはトマトの流通量が少なく、価格も高い状態で推移すると予想されている。