干ばつの被害者3万人に衛生的な水を供給 ユニセフと赤十字が協力書

国連児童基金(UNICEF)とベトナム赤十字協会は11月18日、今春の干ばつと塩害の被害を受けたベトナム中南部の水道と環境の改善の費用約30億ドン(約12万5千ドル)を提供するとした協力書を締結した。

写真㊤=衛生的な水が使えるようになったニントゥアン省の住民
今回の協力は、今年春の干ばつと塩害の被害が大きかったビントゥアン、ニントゥアン、ベンチェ、ソクチャン、コントゥム、ザライの6省が対象。被害を受けた地域で上水道を整備することで、約1万人の児童と約1万5000人の女性などを含む住民約3万人に、衛生的な水を提供できるようになる。

協力書の調印では、このような支援のほか、地域の環境改善などの緊急援助を行う。また、国内の企業とも協力し、今後4カ月かけて、12の村の学校24校にも、衛星環境の改善などの緊急援助を行う。

ユニセフのジェスパー・モラー代表代理は、「地球の気候変動からもっとも悪影響を受けているのは児童たちだ。特に健康被害が懸念される」と説明。そのため、ユニセフでは、2016年8月以降、干ばつや塩害で被害を受けた地域での緊急援助を展開しており、一部ではすでに衛生的な水の供給が始まっている。

ベトナム赤十字協会のグエン・ティ・スアン・トゥ主席によると、ユニセフは1975年からベトナム政府と協力しているが、今回初めて両者が直接、協力書に調印したという。プログラムには、日本政府も総額250万ドルを緊急援助金として供出している。