大雨続く古都・フエ 「めずらしい体験」と洪水も楽しむ外国人観光客ら

ベトナム中部の古都フエ市(トゥアンティン=フエ省)ではこの数日間、大雨が降り続き、各地で川の水位が増している。だが、この地を訪れる多くの外国人観光客は、フエの雨や洪水さえも楽しんでいるようだ。

フエ市では、15日ごろから大雨が降り始め、上流の水力発電所などからの放水もあり、多くの川で水位が上昇。一部では川の氾濫や道路の冠水などの被害も発生した。

ベトナムには「雨はフエ市の特産品」という冗談があるほど、フエは雨量の多い土地だ。しかし、外国人観光客の目には、この「雨の古都」がとてもめずらしい状況と映るようだ。たいへんな雨の中でも観光に歩いている姿が見かけられた。


通行禁止の柵の向こうでは洪水が発生。これをバックに写真撮影する観光客らの姿も

英国から観光で訪れたナタサさん(25歳)は、「フエの長雨と川の水かさが増している状態を見たいと思っていたので、雨の時期にフエを観光できてラッキーだ」と話す。

一方、アメリカ人のエレナさん(30歳)は、「大雨で危ない場所には立ち入り禁止の柵が立てられていたが、雨が降ってもフエは美しい街だと思った」と感想を述べた。彼女は前日も大雨の中、家族とひざまで水に浸かって観光して歩いたといい、「私の故郷ではこんな状態になることは少ないので、めずらしい体験ができて楽しかった」と話した。


柵の向こうの洪水の様子を写真撮影する旅行者ら

だが、一部では、水かさが増したティンム寺近くのフォン川では、増水した川の水辺に近づいて写真撮影する無謀な姿も見られた。

街なかも冠水などの被害に見舞われ、地元の人々の生活に支障をきたしたが、外国人観光客らは、そのような状態さえも、体験として楽しんでいる。


大雨のなか、水に浸かって楽しむ人も。


あるホテルでは、小型船を出して雨の観光に活用していた。

たいへんな天候ではあるが、多くの観光客はカラフルなカッパを着て、雨の中のフエを楽しんでいるようだ。