渋滞解消に向け高速バス ハノイ市で1月から導入

ハノイ市の慢性的な渋滞の解消に向け、バスを基盤とした交通ネットワーク、バス・ラピッド・トランジット(BRT、バス高速輸送システム)の運用が来年から始まる。運行後は、通勤者の需要や、渋滞解消の効果について検証を進める。BRTは都市部の渋滞解消のため、世界各地で導入されており、東南アジアで8番目の導入国となる。

写真㊤=年明けからスタートするバス高速輸送システム。渋滞解消の切り札になるかPhoto: hanoibrt

世界銀行ベトナムのジュン・アン・上級交通エコノミストは、このほどキンマ(Kim Ma)とイェンニア(Yen Nghia)のバスターミナルを結ぶ14.77㌔のルートを発表。「渋滞は今やハノイの抱える深刻な社会問題。マイカー所有が急速に拡大しており、渋滞解消はますます困難な課題となっている」と指摘した。

そのうえで、「ハノイに限らず公共交通機関の活用は、今や世界中の大都市で共通のテーマ。ネットワークを年々拡大していけば、BRTのサービスはより改善されていくだろう。この試みを成功させるには、政府や地方の行政の支援や、利用者の声を反映させていくが必要になるだろう」と語った。

ハノイ都市輸送発展プロジェクトチームのデイレクター、ブ・ハ氏は「高速バスは、基本的にバス専用レーンを走るが、レーンの整備されていない一部のエリアでは一般車と一緒に走ることになる」と説明。ハノイ運輸局では、タクシーやトラックなど他の車両の規制を行うことを計画しているという。

片道乗車券は通常のバス運賃と同じ7000ドン(約30円)。通勤者向けに来年1月に1カ月間の無料試乗実験を行う予定。今回の試みがどのような効果を上げるのか、ハノイ市民も関心を寄せている。