テトの食料・日用品、在庫は潤沢 農業農村開発省などが発表

この冬の温暖な気候などのおかげで農作物の収穫が安定し、今年の旧正月(テト=1月28日)の時期の食料品などの在庫は、消費者のニーズに十分応えられる見込みだと、農業農村開発省が発表した。商工省や財務省なども協力して市場に目を光らせており、大幅な便乗値上げも少ないとみられる。

農業農村開発省畜産局のホアン・タン・バン局長によると、今年の精肉の供給量は「例年に比べ多い」という。価格は、豚肉などが現時点では通常より安価だが、旧正月直前には値上がりする見込みだ。

ベトナム全国の家畜飼育頭数は約3億7100万頭にのぼるが、このうちベトナム中部では昨年末の洪水で約6万9000頭の家畜や家禽が死ぬ被害があり、供給量の不足が懸念されていた。だが、畜産局によると、豚肉の供給在庫量は100万トンを越えており、ニワトリ、アヒルなどの家禽も20万トンに達した。前年と比較すると、今年のほうが肉の供給量は豊富とみられる。

牛肉も、国産品と輸入品合わせて3万~4万トン、家禽の卵はテト向けの供給が十分まかなえる約110億個の在庫があるとした。

果物や野菜、農作物の供給に関して、農業農産開発省の農林水産加工局のレ・バン・バン局長は、「昨年は天災や異常気象などで米の収穫量はやや減ったが、現在刈り入れ時期を迎えたメコンデルタの冬作の稲は豊作で、全体的には食品量在庫は潤沢だ」と説明した。

天候も温暖であったおかげで生鮮野菜の収穫も多く、砂糖、塩、肉、ミルクや乳製品などの供給量も多い。農業農産開発省では、「十分に消費者のテト期間の購買ニーズに対応できる食品の在庫量がある」とみている。市民が正月準備を早めに行う傾向があるため、管理当局が市場を見極めて、供給量や時期などを調整しているという。

一方、商工省によると、菓子類や飲料、加工食品などの市場供給も、昨年同時期と比べて今年は10-15%ほど多いという。

商工省と農業農村開発省、財務省、国家銀行は協力して、ハノイやホーチミンなどの大都市部、中部クアンビン省、ゲアン省などに、テトの市場調査と準備のために、省庁横断的なワーキングチームを派遣した。この結果、63の市や自治体のうち44カ所で市場在庫の管理計画を実施。21カ所では、市場への商品供給が十分になるよう、金融機関と企業との間を行政が取り持ったほか、販売業者が商品を購入するための資金補助プログラムを提供するなどしていたと報告された。

ワーキングチームでは、この時期に多く見られる不正品や模造品、密輸品などのあぶり出しにも神経をとがらせている。