ハノイ・タンロン城王宮跡でテト前の儀式や展覧会 迎春ムード高まる

テトを控えたハノイでは、新年を迎えるためのさまざまな行事や祭事が、各地で行われている。ハノイ市の世界遺産、タンロン城王宮跡ではこのほど、家内の安全を守る「かまどの神様(台所の神様)」への拝礼=写真=や、装飾した木を立てて飾る伝統行事「カイニュー」などが執り行われた。

かまどの神様への礼拝は、新年の前に各家庭でも行われるベトナムの伝統行事。かまどの神様が台所の煙に乗って天に昇り、各家庭の一年間の行いなどを報告するとする言い伝えに基づく。王宮跡にもりっぱな祭壇が作られ、天に昇るかまどの神様のために健康や幸福を祈って果物などが供えられ、人々が線香を掲げて手を合わせた。

ベトナムのテトでは、祝賀や縁起物を描いた伝統的な版画を飾る風習がある。テトの期間中、城跡では、代表的なハンチョン版画、キムホアン版画とドンホー版画を紹介する展覧会が開かれており、これらの版画の歴史や独創性などについて知ることができる。

合わせて、郷土歴史家のチン・バック氏が収集したグエン王朝の皇帝の衣類や所持品など15点も披露する。こちらは、ベトナムの伝統的な刺繍や裁縫技術をアピールするのがねらい。職人の技術や才能を披露し、洗練された伝統衣装のデザインと独創性を通じて、かつてのグエン王朝の栄華を伝える。

期間中、タンロン城跡では、最近あらたに移籍が発掘された一角が一般公開される。見学者はタンロン城跡の規模の大きさや繁栄の過去について学ぶことができる。

旧正月(テト)の元日から数日間は、このほかにも城跡では歴代の皇帝に拝礼し線香を捧げる儀式など数々の文化的な行事が行われるほか、水上人形劇も披露され、新年のムードを演出する。