バッチャン陶器村に期待 全国の手工芸村の連携でベトナム観光を促進

焼き物で知られる伝統工芸村、バッチャン陶器村(ハノイ市ザラム区)で、このほど伝統的な村祭りが行われた。今年はここに初めて、全国15カ所の伝統手工芸村も参加。さまざまな手工芸品の産地が連携することで、観光促進につなげたい考えだ。

祭りでは、伝統的な陶器村の技術と芸術性をたたえて、職人らが作ったバッチャン陶器の作品150点が展示された。また、今回はシルクで有名なバンフック村のほか、フンサの織物村、サキエウの線香村、ダシの鍛造村、春雨作りが有名なクダ村、アンズオン(ハイフォン)の刺しゅう村などが参加した。それぞれの作品が提供されたほか、各地の独特の音楽や舞踊なども披露され、各村が手工芸と観光の両面をアピールした。

ベトナム伝統手工芸村協会のザン会長によると、バッチャン陶器村は、ベトナムを象徴する手工芸村のひとつで、海外へも製品が輸出されるなど特に発展が注目されているという。現在は、民芸品作家や芸術家、伝統工芸品職人など、75人の陶器作家がいる。村では、環境を汚染したり影響を与えたりしないよう配慮したものづくりを心がけ、私企業と政府の連携もしっかりしているところも、他地域から注目される理由だという。

2016年のバッチャン陶器村の売上高は、約1兆ドンに達した。2001年~2002年には科学技術省の支援を受け、使用するエネルギーを石炭からガスに切り替えた。これで環境汚染が大きく軽減され、一帯の美しい自然環境が保たれている。おかげで、村には毎日、観光客が500~800人ほど訪れる。

統計によると、ベトナム全国には約5400カ所の工芸品手作り村があり、115伝統工芸品や優秀な美術工芸品が登録されている。それらの昨年の輸出金額は、約19億ドルにものぼる。

バッチャン村は代表的な手工芸村としてさらに発展を目指す一方で、生産現場を訪れたり、体験したりする新しいかたちの観光との融合も模索。全国の他の手工芸村と連携して、ベトナムの観光促進につなげていく考えで、政府などにも支援を求めている。