暑いサイゴンで「雪の楽園」 スノータウンの冬体験が人気

常夏のサイゴン(ホーチミン市)に雪国が出現!?ベトナム南部ホーチミン市2区の商業施設「ザCBDプレミアムホーム」にこのほど、人工雪で遊べるエンターテインメント施設「スノータウン遊園地」が開業。「東南アジア最大の雪の町」として、家族連れらの注目を集めている。

写真㊤=家族連れなどでにぎわうサイゴンのスノータウン遊園地

◇日本の冬を体験
スノータウンは、世界の子どもたち向けのアイデアとして誕生した。企画や運営を行う日本の昭和ホールディングス・スノータウン&アイスリンク部門の担当者は、「アジアのたくさんの子どもたちが雪遊びを気軽に体験できるよう、従来の人工雪技術にさまざまな改良を施した」と説明する。

例えば、健康や安全を第一に考え、スノータウンの施設内は常に気温を約20度に維持。これだと寒くないので、気軽に好きな服装で楽しんだり、記念撮影できたりするのが魅力だ。特殊な人工雪技術を応用したスノータウンの雪は、高い気温でも溶けにくいのが特徴だ。同社で実験したところ、気温20度の屋外でも、80%の雪が溶けずに残ったという。また、他の人口雪より30%軽量で扱いやすいのも特徴だという。

◇集客に期待
スノータウンが、日本以外のアジアの国で開業するのは、タイに次いで二番目だ。東南アジアへの初進出となったのは、タイ・バンコクのゲートウェイ・エカマイ貿易センターで、ここでは開業当初、訪問者の多さから、「貿易センターの来訪者は、ほぼ全員がスノータウンの体験が目当てだ」と言われるほどだった。

ベトナムでも同様の集客やPR効果が期待されている。そのため、スノータウン・サイゴンには、雪で遊ぶエリアの他、回転ゲームのコーナー、スケートリンク、幼児用の遊び場、家族で楽しめるレストランなどを併設。今後、ホーチミン市の新しい観光や娯楽のスポットになりそうだ。

本格開業してからまだ1カ月ほどだが、来訪者は一日平均約6000~7000人にのぼる。今後、スノータウンでは、ベトナム国内ではダナン市や首都ハノイでの展開を検討しているほか、インドネシア、台湾、中国、マレーシアなどの東南アジア各国へも拡大する計画だという。