ホアビン省の農村に鮮やかな壁画 地域観光の目玉に 学生や村人が作成

学生ボランティアや村人らの手によって、ホアビン省にある農村、ハイソン村各地の味気ないブロック塀がこのほど、楽しい鮮やかな色彩の壁画に生まれ変わった―。このプロジェクト「壁画による地域観光」は、少数民族の生活向上や環境に配慮した農村発展などを支援するドイツの民間団体「世界のためのパン(BfdW)」の資金提供で実現した。

ハイソン村は、ハノイ南西、ホアビン省のマイチャウ区マイヒック地区の貧しい農村だ。景色は美しく、人々も親しみやすく優しいが、小規模農業しか展開できておらず、経済水準が低いのが悩みだ。そこで、村の収入源を増やそうと、観光化に乗り出した。

そこで目玉として考えだされたのが「壁画による地域観光」のアイデアだ。国内外の観光客を誘致するねらいがあり、訪れた観光客には、ベトナム北西部のおいしくて安全な食べ物や、静かで美しい農村で過ごす休日の魅力も味わってもらおうというわけだ。

壁画の作成には、厳しい天気のもと、ハノイ産業芸術大学の27人のボランティア学生とハイソン村の住民たち、公衆衛生健康開発センター(COHED)のメンバーらが参加。800メートルにわたる殺風景なブロック塀ぞいの道の雑草やゴミを清掃し、楽しく、活気のある色彩豊かな壁画に生まれ変わらせた。

壁画の作成は、7月13日から10日間で仕上げた。壁画には段々畑や水車といったこの地域の独特の風景のほか、村の春夏秋冬などが描かれた。特に、「春の愛情」「春の祭り」とタイトルを付けられた絵は、見事な大作だ。村人らは観光客が壁画を見て楽しんだあとは、ルオウ・カンという地方の酒を飲んだり、サップの踊りなどを堪能したりしてもらいたいと願っている。