インダストリー4.0が切り開く省エネ社会

第4次産業革命(インダストリー4.0)は、革新的な技術によって、現実世界とバーチャル世界の境をあいまいにする。しかし、それはビジネスにおいては、省エネルギーの機会をもたらすことにもなる。

ベトナム商工省傘下の科学技術・節約エネルギー局(the General Directorate of Energy’s Department of Science and Technology)の副局長、グエン・ヴァン・ロン(Nguyen Van Long)氏は、「インダストリー4.0は新しいITソリューションを生み出し、機械や設備のモニタリングやエネルギー効率の最適化を手助けする」と述べる。さらに、データの収集と分析、およびその処理は、連続的な製造プロセスを創出して、試験段階を短期化、エネルギーコストの削減を促すとも指摘する。

また、グエン氏は、「インダストリー4.0は、製造技術やデータの収集、転送能力をアップさせる新しい機会をもたらす」とも言う。機械やセンサーから収集されたデータは、製造業者が、運転効率を改善するための迅速な決定を可能にする。例えば、ゴージ・タンロン・オートパーツ社(the Goshi Thang Long Auto Parts)では、2015年から電力管理システムを採用している。このシステムは、会社が製造プロセスや運転時間の履歴を記録しやすくするために、毎日稼働し、データを収集し、指示を与え、フィードバックを受け取る。このシステムのおかげで、会社はエネルギーコストを大幅に削減できた、と述べている。

ビッグC タンロンスーパーマーケット(The Big C Thang Long Supermarket)も電力管理システムを採用しているが、このシステムはデータを収集し、エネルギーコストを計算して、機械や設備のエネルギー使用に関するレポートを作成する。これにより、推測で、電力システムの予算をまとめたり、管理コストを最適化したり、手作業でデータを入力する際のミスを最小限に抑えたりする必要がなくなる。ビッグC タンロンスーパーマーケットは、システムを導入してから、全体のエネルギー消費を5~7%削減できたと話している。

ハノイ市商工局の副局長、ダム・テイエン・タン(Dam Tien Thang)氏は、ハノイでは、電力管理システムに自動化技術を導入し、エネルギー効率の指標を設けるなど、インダストリー4.0へのアクセス能力を高める動きが強化されていると語る。また、これらの対策は、都市におけるエネルギー効率の改善に役立っており、これは2017年に、ハノイにおけるエネルギー効率プログラムが推進する目標でもある。

さらに、タン氏は、電力管理システムの導入は、製造コストの削減に貢献すると述べ、それによって成長の質が向上し、国の経済統合を促進するとも語っている。