躍進する陶磁器業界 設備投資で生産力アップ

陶磁器の生産地として有名なハノイ市バッチャン村に本社を置く陶磁器製会社、クアンビンが、新たな設備や技術を導入し、国内外向けの高級陶磁器のラインナップを強化している。科学技術省によると、ベトナムでは近年、陶磁器の輸出が健闘しており、製品は日本や米国、台湾など世界各地に輸出されている。中でも日本は最大の輸出先で全体の16.1%を占め、輸出高は年間6960万㌦(約75億円)に上っている。

ベトナムの陶磁器業は、機械化が遅れ、製造過程で材料や燃料の大量のむだを生み、アジア地域での国際的競争力が高いとは言えなかった。このため、多くの企業が、より効率的な高級陶磁器製造に向け、技術革新に力を入れてきた。

クアンビンはその好例だ。同社は30年間にわたって陶磁器を製造しており、製品は、陶磁器に対する目の肥えた日本市場をはじめ米国、フランス、ドイツ、チリ、コロンビア、デンマークに輸出されている。生産量と品質アップ、商品バリエーションを増やすために、同社は2012年から生産ラインへの投資を続けてきた。

同社のディレクター、ハ・チ・ビン氏によると、同社は科学技術省の支援のもと、より薄手の陶磁器の製造に成功するとともに、半自動化された製造方法を導入した。さらに、窯から出るむだな熱を再利用することで、燃料消費の25%削減、排煙の最小化、製造コストの36%削減を達成。大気汚染などの環境負荷も低減や労働環境の向上にもつながった。

同社は、労働者100人の雇用を創出している。ビン氏は、「より、高品質な陶磁器の製造に向け、今後も努力し続ける。販売増に向けて市場の拡大を目指していきたい」と話している。