首都・ハノイでは、安全な野菜を求める声が高まる一方で、需要と供給の連携が不十分であるため、野菜の供給は制限された状態だ。

潜在的な市場
ハノイプロモーションエージェンシー副局長のグエン・ティ・マイ・アイン(Nguyen Thi Mai Anh)氏は、「ハノイは、1000万人を超える市民と2100万人超の旅行客を擁し、大量の安全な食品や食糧が求められているにもかかわらず、農業部門の生産能力は、需要の55~60%にすぎない」と語る。

安全な野菜の大部分は、個々の業者によって集められ、卸売市場に流通されるため、農産物の品質管理が難しくなっている。

ハノイ市農業・地方開発局傘下の農産物生産局局長のグエン・ティ・トア(Nguyen Thi Thoa)氏は、「ハノイにおける全菜園面積は12,000ヘクタールで、冬から春にかけての作物を中心に、40種類以上を生産している。野菜の生産量は年間約60万トンであり、需要の60%を占める。特にハノイでは、5,000ヘクタールを超える分の野菜が、農業生産管理基準であるVietGAPに則って栽培されており、年間の生産量では40万トン近くに上っている」と述べた。

協力の促進
最近の会議では、ハナム省、フンイエン省、ハイズオン省の代表する生産設備に機会を与えて、安全な野菜に対する需要と供給を満たす方法や、企業や協同組合と同様に、流通業者に対してもこれらの生産物を紹介する手段について焦点が当てられた。

イエンフー安全野菜協同組合(フンイエン省イエンミー区イエンフー地区メーハー村)の組合長であるグエン・フゥ・フン(Nguyen Huu Hung)氏は、「協同組合は有機野菜を生産しており、多くの生産物が清潔な食料品店で販売されている」と語った。また、ハノイにあるリンナム野菜協同組合の組合長、チン・ザン・トゥン(Trinh Danh Tung)氏は、「協同組合は、クリーンな野菜を生産する新しい技術とともに、安全な野菜を販売する機会を探している」とも述べた。

ハノイ市人民委員会は、多くの規則や仕組みづくりを通して、安全な野菜の生産を促進している。しかしながら、小規模生産では管理が困難であり、加えて、消費者は、生産表示が明確な安全な野菜を見つけるのに苦労している状況だ。

また、VietRAP投資会社の代表であるチャン・ビェット・フン(Tran Viet Hung)氏は、農家が供給契約を違反した場合に、農産物の流通業者を守る規定がないという別の難題を指摘している。