ベトナムのベトナム水産輸出加工協会(VASEP)はこのほど、ベトナムからのマグロの輸出額が、11月現在で5億4100万ドルに達したと発表した。今年の目標額だった5億2400万ドルを1カ月前倒しで達成したという。
ベトナム税関総局によると、この11カ月間の、ベトナム産まぐろの主要な輸出先は米国、欧州連合とASEAN各国だったという。
一方で、ベトナムは、欧州連合から「違法、無報告、無規制(IUU)」の漁業をしているとして警告(イエローカード)を受け、苦戦している部分もある。
VASEPのチュオン・ディン・ホエ事務局長は、「欧州連合からの警告が、マグロの輸出に及ぼす直接的な影響から、漁業関係者らは懸念を抱いていた」と話す。
6か月以内の改善がなければレッドカード提示となり、EUへの水産物輸出が禁止される事態となるため、ホエ事務局長は、農業・地方開発省(MARD)と連携して対応策を練っているという。
EUだけでなく、米国も来年、漁業にIUU規制を適用する方針であるという。こちらは、ベトナムで水揚げされたマグロや魚介類だけではなく、他国から輸入した原材料をベトナムで加工した水産加工品の輸出にも影響を及ぼすことになるとみられる。
ホエ事務局長は、「魚介類輸出高を現状で維持するためには、IUU警告に対応する努力を重ね、グリーンカードを再取得することが必須だ」と話す。
輸出向け魚介類の原産地管理を徹底するため、農業・地方開発省は国を挙げて、違法、無報告、無規制の漁業を未然に防ぎ、根絶する計画を立ち上げたばかりだ。
沖合漁業の計画を政府に提案すると同時に、同省は、国内産の魚介類や輸入原材料などを管理するシステムや、漁業活動の監視網を確立させた。
また、魚介類の原産地証明能力を高めるために漁業関連のデータベースも作られ、不法に水揚げされた魚介類がベトナム国内に輸入されることを防げるようになった。
農業・地方開発省は、IUU漁業や海外での違法漁業を来年にも根絶させる決意でいる。また、2025年までにすべての魚介類の原産地証明を達成することを目指す。
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VNLオリジナル 2013年9月01日