ベトナム北部が、この1週間ほど、厳しい寒波に覆われている。ベトナム北西部の山地、ラオカイ省サパでは気温が0度以下となり、観光名所として知られる標高2000メートルのオ・クイ・ホー峠などが白く氷雪に覆われ、白く美しい景色が広がった。

ラオカイ省では2月2日以降、寒気が強まり、小雨が降ったのち、気温がぐんぐん下がった。夜には寒気がさらに強まり、3日の朝には、少数民族が多く暮らし、美しい棚田でも有名な観光地のサパで、気温が氷点下0.4度にまで冷え込んだ。これは、2018年に入ってこの地域で最も低い気温となった。また、バック・ハ町でも、気温は4度にまで下がった。

3日の夜も冷え込みは続き、同省の気温は平地部で9~10℃、山地では3~4℃となった。サパでは氷点下1~0℃度だった。

ラオカイ省人民委員会は、サパやバットサット地区など山間部の住民らに氷雪や寒気の対処法を伝えるとともに、訪れている観光客に対しても安全の指導などを行った。

◇ランソン省では学校休校も
中国との国境に近い北東部ランソン省のマウソン山一帯では、寒気の影響で連日、霜に覆われている。気温も低い日が続き、一部の小学校は休校の措置をとったほか、農家らは家畜の防寒対策に追われた。


ハザン省の学校では、焚火を囲んで子どもたちが暖をとった

ベトナム国立気象予報センターによると、山間部では早朝などに、気温が氷点下まで落ち込んだ。この地域では、1月初旬に続き、今冬2度目の厳しい寒波襲来となった。

北東部一帯では上空の寒気の影響で気温が急激に下がり、紅河デルタ地域で8~19℃、山沿いで4~7℃となり、山の頂上付近では氷点下0~3℃まで冷え込んだ。ハノイでは、小雨も観測されたという。

寒気は5日も居座り、北西部ディエンビエン郡のファーディン峠や、ラオカオ省ラオカオのファンシーパン山では霜が観測された。

山岳部一帯では、子どもたちが小学校や幼稚園まで通うことができず、「気温が10度以下の場合は、学校へ行かなくても欠席扱いにしない」という規則が適用された。ランソン省にあるマウソン小学校は、学校自体を休校とし、トー・ミン・ズック校長が「子どもたちには、気温が上がるまで自宅で待機するよう伝えた」という。

また、山岳部の農家では飼育している家畜や家禽に被害が及ばないよう、対応に追われた。ランソン省の農業農村開発局によると、一帯では、16万頭の家畜と400万羽の家禽を飼育。レ・タイン・ニャン局長は、各地に職員を派遣し、家畜が凍死しないよう、家畜小屋を覆ったり、そばでたき火をしたりといった防寒対策を行うよう、農家らの指導にあたっていると説明した。