パリコレにアオザイ登場 ハノイのデザイナー作品

このほど開催されたパリ・コレクション(パリ・ファッションウイーク・オートクチュール2018)で、ハノイ市に拠点を置くデザイナー、ド・チン・ホアイ・ナム氏のアオザイ・コレクション「恋する女性」が発表された。

写真㊤=30の作品からなるコレクション「恋する女性」の1着。赤と黒のエレガントなデザインが妖艶な雰囲気をかもしだす(vtv.vn)

「恋する女性」は絹やサテンを使用した30作品で構成。ドレスの柄は、パリのノートルダム寺院のゴシック調のステンドグラスをモチーフにしている。今回の作品について、ナム氏は「いずれも、ベトナム人の職人が6カ月以上かけて仕上げた」と話している。1着の値段は1万~2万㌦(約108万円~216万円)。今回のナム氏の出品については、交通費から参加費まですべて運営組織側が負担する厚遇ぶりだったという。

現在、42歳のナム氏は、手作りの工芸品で知られるハノイ市内のスアン・ディン村出身で、仕立て職人としてファッション業界のキャリアを歩み始めた。2003年、ベトナムデザイン協会のベトナム・コレクション・グランプリ2014で優勝し、一躍有名に。その後、国内外の有名なファッションイベントに参加するようになり、国内にとどまらず、海外のファッション関係者からも注目されている。エレガントで魅惑的なドレスの数々は、高品質な絹と綿を使い、女性らしいグラマラスなラインを特徴としている。

昨年9月には、ニューヨーク・クチュール・ファッション・ウィークに参加。アジアのデザイナー2人とともにコレクション「黄金のハス」を発表し、話題を呼んだ。ハスや水上人形劇の刺繍をあしらった19世紀風の伝統的な作品は、ハノイのハドンやタイビン、ラムドンの熟練工の手によるベトナム・シルクとサテンを使用した。

現在はアパレル会社とモデルプロダクションを経営、映画スターやアイドルともコラボレーションしている。ハノイと北部の省に店を持ち、80のデザインとアクセサリーを販売。毎年新作を発表している。