国家首脳ら各地でテトの祝賀など出席 社会的弱者への支援も

ベトナムでもっとも重要な祝祭日となるテト(旧正月、今年は2月16日)を控え、ベトナムの国家首脳らが各地で迎春の式典などに参加した。グエン・フー・チョン共産党書記長は7日、一時帰国した海外在住者らを歓迎。ダクラク省を訪れたグエン・スアン・フック首相は、少数民族や社会的弱者へのテト支援を行った。

チョン書記長は、テトを機会に祖国や故郷に一時帰国した海外在住ベトナム人たちの集い「2018年新春の帰郷」の式典に出席した。海外450万人の在住ベトナム人を代表して、25の国と地域からの帰国者約90人が出席した。

チョン書記長は式典で、海外在住ベトナム人が国の発展に果たしてきた貢献などを称えた。また、居住先の社会に溶け込んできた人々の努力に敬意を表したうえで、「党は常に、海外在住のベトナム人コミュニティのことを、国家の重要な一部分とみなしている」と支援を約束した。

一方、グエン・スアン・フック首相は8日から、中央高原のダクラク省を訪問。低賃金で働く労働者らにテトの贈り物を贈呈した=写真㊦=

首相は、地元当局に対して、低所得の労働者らが無事テトを迎えられるように、適切な支援を要請した。また、地元企業や労働組合にも、労働者向けの住居充実や、子供を預かる保育園の整備など、低所得労働者のための支援を求めた。

続いてフック首相は、ダクラク省に多い少数民族の暮らすクラム村、エア・ティエウ村などを訪問した。

12の少数民族の4700世帯が暮らすエア・ティエウ村は、コーヒーやコショウの栽培が主要産業で、住民らの1世帯平均年収は3200万ドン(約1400ドル)ほど。村には約300の貧困世帯があり、500世帯以上が非常に貧しい暮らしを余儀なくされていることから、フック首相は地元当局にさらなる支援などを指示した。

北部ハイズオン省では、グエン・ティ・キム・ガン国会議長が、ベトナム労働組合のテト祝賀式典に出席した。式典には、ハイズオン省の工業団地で働く約400人の工員らが参加。このうち、昨年の洪水で影響を受けたベトナム中部出身の労働者らに対してガン議長は、「母親へのプレゼントにしてほしい」として、絹織物100本を寄贈した。

ガン議長はまた、カム・ジャン地区のマオ・ディエン寺を参拝し、若者らとともに記念植樹を行なった=写真㊦=

ハイズオン省では、約1万ヘクタール以上の森林と約2万ヘクタールの果樹園の存続や保護のため、毎年100万本以上の樹木を植樹している。荒れた緑地や雑木林などにオレンジやリュウガン(龍眼)、グアバやシュガーアップルなどの果物の樹を植えてきた活動のおかげで、一帯では、ベトナムの農業生産管理基準「ベトGAP」の基準を満たした果物を生産する地区も出てきた。