グレープフルーツの花がハノイの街角を彩る

グレープフルーツの花を摘み入れた花かごが、ハノイの通りや市場の露店に現れ、街は甘い香りに包まれている。

■春の香り、グレープフルーツの花
ベトナム北部で多く栽培されるグレープフルーツは、2月から3月にかけて開花し、花はハノイの市場へ運ばれる。白い花びら、黄金色の雄しべ、深い緑色の葉をもつその花は、自転車に積まれて、ハノイの通りや路地を走り回り、春の空気にかぐわしい香りをもたらす。

販売業者によると、花は3月の初めから終わりにかけて、1束およそ15,000ドンから30,000ドンで売られるという。

グレープフルーツの木には非常に多くの花が咲き、花は、主にハノイ周辺のフンエン省やバクニン省などから運ばれる。将来、より高品質な果実がなるよう、余分な枝などは切り落とす。

人々は花を家に持ち帰って飾り付けたり、お茶や葛湯に加えたりして、風味を楽しむ。

■グレープフルーツから採れるエッセンシャルオイル
グレープフルーツの花と同じくらいその果実は、さまざまな使われ方をする。グレープフルーツのエッセンシャルオイルは、フルーツが持つ自然の栄養素を失うことなく、皮、果実、花から直接抽出される。

グレープフルーツのエッセンシャルオイルは、気持ちを高めたり、元気付けたり、清潔にしたりといった多くの用途で用いられている。このオイルは、リンパ系へ刺激を与えるのを助けることから、セルライトや毒素を除去するためにマッサージオイルへブレンドするのがとても効果的だ。スキンケアでは、脂性肌や毛穴の詰まった肌へのケアに向いており、くすんだ肌には多方面で調子を整える効果がある。

多くの柑橘系オイルと共通して、グレープフルーツにも、寒さや風邪から体を守る殺菌・抗ウイルス作用がある。オイルが気化することで、風に乗って運ばれる細菌を殺し、病原菌の拡散を防ぐのに役立つ。さらには、運転中の集中力維持に役立つと信じている人さえいる。グレープフルーツオイルは、特に、スイートバジルのような感情的に刺激を与えるオイルにブレンドすれば、ストレスの緩和に有効だと考えられている。

すべての柑橘系エッセンシャルオイルと同様に、グレープフルーツオイルも、バジル、黒コショウ、カルダモン(およびその他スパイスオイル)、コリアンダー、セイヨウヒノキ、ゼラニウム、セイヨウネズ、ラベンダー、ネロリ、パルマローザ、プチグレン、パイン、ローズマリーといったさまざまなオイルと簡単にブレンドできる。

グレープフルーツは、イランイランやジャスミン、ゼラニウム、チューベローズといったオイルの、甘さや刺激を和らげるために用いることもある。ジャスミンにブレンドすれば、香りがよいだけでなく、自信を高めることにも役立つという。