ベトナム創設、フン王の命日 祭典でフック首相らが拝礼 フート省のディンフン神社

旧暦3月10日にあたる4月25日は、ベトナム建国の祖「フン王」(Hùng Vương)の命日の祝日だった。ベトナム北部フート省のディンフン神社(フン王神社)のキンティン宮殿からニャリン山頂にかけての一帯では、フン王らを称えるさまざまな拝礼儀式や祭典が繰り広げられ、グエン・スアン・フック首相らが参拝して線香と花を手向けた。

拝礼式は、早朝6時から、尊厳な雰囲気のもとで行われた。

フン王は、ベトナムの歴史上、最初の国家とされるバンラン(文郎)国をつくったとされる人物だ。竜王と仙女の間にできた100個の卵から、フン王を含めた100人のラックホンの神様が誕生したという伝説がある。

行列ではまず、人々が国旗や式典用品の伝統の旗を掲げ、フン王への感謝の言葉を記した花看板を持って行進。これに、フン王らの子孫の代表者として、100人の青年が、伝統的なアオザイ姿で花や拝礼品を捧げ持って続いた。

伝統的な儀式の後に、共産党や政府関係者、軍関係者、地元フート省の代表者などが参列した。また、人民の代表者らも参拝した。

6時半ちょうどになると、ニャリン山頂の神社の中心地で、神聖で厳かな空気のなか、フン王に感謝して線香が捧げられた。

この日はあいにくの雨だったが、おおぜいの人々がフン王の拝礼に向かった。

フン王の命日は、ベトナム民族にとって重大な祭りであり、長年にわたって人々の心に住み続けてきた。ベトナムには、先人たちのことを忘れず敬うようにと戒める、「水を飲むときには、水源を思え(Uống nước nhớ nguồn)」ということわざがあるが、ホー・チ・ミン元国家主席は、これにならって「建国したフン王らのことを忘れず、国民が一丸となって国を守ろう」と唱えた。そのため、フン王の命日は、今では国の繁栄や発展のためにがんばろうと、国民が決意を新たにする日ともなっている。