2020年までに、国際標準の科学者1万人を育成へ

ベトナムは、国の経済発展と国際的地位を高める重要なリソースとして、科学技術人材を育成するためのさまざまな政策を打ち出している。

急成長を遂げるベトナム
科学技術省によると、国内で研究開発(R&D)に関わる人材は167,746人おり、その中で、国の機関に雇用されているのが141,084人(84.1%)、国以外の機関が23,183人(13.8%)で、残りの3,479人(2.1%)は外資系の機関で勤務している。研究開発者のうち、14,376人が博士号を持ち、51,128人が修士号を、60,719人が学士号を取得している。

写真㊤=トレーニングは高度人材の育成に重要な役割を果たす

科学情報研究所(ISI)に発表されたベトナムの研究業績は、毎年約20%増加している。世界知的所有権機関(WIPO)が発表したグローバル・イノベーション・インデックス(GII)2017の報告書では、ベトナムは127の国と地域の中で47位にランクし、2016年より順位を12上げた。基礎科学の発展において、ベトナムは東南アジアでトップクラスの地位にある。

優遇政策で優秀な科学者を奨励
そのほかの国々も、科学技術人材に対して優遇政策を採用している。例えば、韓国は、1966年に韓国科学技術研究院(The Korea Institute of Science and Technology:KIST)を設立し、科学者に対し、大学教授の3倍から5倍の給与を支給している。KISTは自己管理メカニズムを導入し、科学者はスタッフを選ぶ権利や、独自の資金を有している。この40年間で、KISTは世界でトップ10に入る科学研究機関となり、韓国も最も成功した先進国の1つに成長した。

一方、ベトナムでは、2013年に科学技術に関する法律を公布し、その中で法令40/2014/ND-CPは、科学技術機関の主要な職員や、主な国家プロジェクトを統括する科学技術者、若く有能な研究者に対する優遇政策である。また、ベトナム科学技術開発財団(National Foundation for Science and Technology Development)を設立し、若手科学者が国家プロジェクトへ参画できるようにしている。

最近設立された、ベトナム・韓国科学技術研究院(Vietnam-Korea Institute of Science and Technology:V-KIST)は、研究に参加するベトナム人や外国人ら、優秀な科学者を奨励するために、特定の資金メカニズムを提供する。それは、彼らに高額の給与を支給するだけでなく、研究を実施し、新しい技術を発展させるための最も整った環境を用意する。

首相に承認された、2011年から10年間における科学技術開発財団の戦略の下、ベトナムでは2020年までに、国民1万人あたりの科学者数は11、12人となり、1万人の国際標準の技術者が育つとみられている。