「子どもたちの健全な生活環境を守り、整備していくことは、国が長期的に持続可能な発展を続けるための重要課題である」。ベトナムのグエン・スアン・フック首相は8月6日、子どもに関する国家委員会が開催した児童保護に関する国の遠隔会議で、こう強調した。

写真㊤=フック首相は、子どもを守ることの重要性を強調した(NDO)

会議に際しフック首相は、「子どもたちを守る対策を実践するため、児童保護に関する意識を高めていく必要がある」とし、「グローバリゼーションの状況下では、伝統的な価値観が薄れ、親が子どもを気に掛け、教育し、守ることに多くの時間を費やせなくなっている。インターネットやソーシャルネットワークに関する情報の不足も、子どもの人格や感情に大きな影響を与える」と述べた。

さらに、「子どもへのケアと保護に加えて、健全な生活環境を作り出していくことは重要課題であり、これは政治全体の責任であるとともに、すべての地域社会や家庭の責任でもある」と続けた。

首相は、この問題に関して、全国のわずか5%の自治体しか職員を配置していないことを受け、村レベルの人民委員会に対し、児童保護の専門人員を配置するよう求めた。また、地方自治体には、この業務に十分な資源を割り当てるとともに、業務に携わる職員の法的執行能力やスキルを高めることに、特別な注意を払うよう要請した。

教育・訓練省は、関係省庁や機関と連携して、子どもたちにライフスキルを訓練する機会を提供するとともに、児童保護に関する業務の調整を強化する。また、子どもに関する国家委員会は、児童保護を推進するため、省庁や機関、自治体への視察を行うよう要請された。

フック首相は「社会政治組織、地域社会や家庭は、すべての子どもたちへ安全で健康的な生活を提供するよう協力しなければならない」と述べた。さらに、労働・傷兵軍人・社会事業省に対しては、関係機関やベトナム祖国戦線と連携し、少数民族や山岳地帯の児童保護支援のための社会資源の動員に関する計画案を首相へ提出し、また貧困撲滅のための国際デーである2018年10月17日には、少数民族や山岳地帯に住む子どもたちに冬服を寄付する活動を始めるよう要求した。

フック首相は、「子どもたちのために最善を尽くすことは、党と国家の一貫した見解だ。子どもたちが率先して社会経済開発の成果を得られるように、私たちはできうるすべてのことを実行しなければならない」と断言した。