ビンファスト、ベトナム初の国産車をパリモーターショーで披露

ベトナムで不動産や小売などを展開する多角経営企業、ビングループの傘下企業で、自動車メーカーのビンファストは、2種類の自動車を、フランスで4日に開幕した第120回パリモーターショーで披露した。メルセデス・ベンツやポルシェ、アウディ、ランボルギーニやレクサスといった世界的メーカーの自動車と並んで、ベトナム国産車が展示されるのは、初めてのことだ。

写真㊤=スポーツ用多目的車の「LUX SA2.0」


ビンファストがパリモーターショーでお披露目した乗用車「LUX A2.0」

ビンファストの新車披露は、サッカーの元イングランド代表、デイビッド・ベッカム氏が案内役を勤めた。ベッカム氏は、「ビンファストの自動車は洗練されていて、ハイテクを搭載した、驚くべき車だ。そしてとても美しい」とビンファスト社の自信作を褒め称えた。

イベントで、同社のジム・デルーカ社長は、同社の「世界的自動車ブランドを目指す」という最終目標を強調し、「近い将来、ビンファストブランドの自動車は世界中の多くの市場で存在感を放つようになるだろうと説明した。

同社のレ・ティ・トゥ・トゥイ会長は会場で、「ビンファストは、ベトナム最大の私企業グループの中でも、もっとも新しい企業の一つだ」と、自動車製造業参入からわずか1年で新車を国際的に披露した自社のスピード感を印象付けた。また、「これら2車種は、ビンファストブランドとベトナムの自動車産業を、世界の自動車製造業界に強く印象付ける、わが社の最初の成果だ」と自信を見せた。

ビンファストのセダン型乗用車とSUV車は、BMW社からはエンジン、イタリアのピニンファリーナからはデザインの供与を受けて生まれた。

今年のパリモーターショーにビンファストが自動車を携えて参加したことは、自動車業界や国際的メディアを驚かせ、その背景や開発秘話など、いくつもの記事が書かれた。というのも、これら2種類の車は、わずか365日で開発、完成されたものだからだ。「LUX A2.0」と「LUX SA2.0」という名前も、ショー開幕の1日前にようやく明らかにされた。

ビンファストによると、同社は現在、世界的にも最高レベルの技術と経験を有するBMWをはじめ、ボッシュ、マグナ・シュタイヤー、ピニンファリーナなどのヨーロッパやアメリカの自動車メーカーや関連企業と連携して、自動車の開発にあたっている。今回お披露目された2台は、同社の目指す「イタリアのデザインとドイツの技術を駆使し、国際基準を満たしながら、ベトナムのアイデンティティを具現化」する、まさに夢の自動車なのだ。

ビンファストは、ベトナム北部のハイフォン市の沿岸部カットハイ地区に、製造プラントを保有。2025年までには、年間50万台の自動車製造を実現する見込みだ。

パリモーターショーは、今月14日まで開かれている。