ハノイでタクシーの新ブランド、G7発足 地場企業の連携で外資と競争

タクシーが市民の足として欠かせないハノイで、自社のタクシーを一台も所有しないタクシー運営会社、G7がこのほど、設立された。加盟するタクシー会社が保有車両を提供する、いわばタクシー会社の連合体。地場の中小タクシー会社も、最大手の外資系、グラブタクシーなどと競争できる手法として、期待が高まっている。

発足の披露イベントで、同社のグエン・アイン・クアン社長は、G7タクシーが今後2年間でベトナム最大規模のタクシーブランドを目指すと発表した。

この目標を達成するために、同社が採用したのは、ベトナムの既存のタクシー会社との連携戦略だ。参加するタクシー会社には、G7タクシーの取締役会に参加する権利もあり、同社の長期的な経営戦略などをいっしょに決めることができる。

同社は、信頼が厚く、ブランド価値があり、運転手の能力や保有する車両の質が高く、運営が安定しているタクシー会社とだけ連携する方針だ。すでに、タインコンタクシー、バサオタクシー、サオハノイタクシーの3社と契約を結び、3社の車両をG7タクシーのブランドにして運営を始めた。

クアン社長は、同社が料金の面でも他のタクシー会社とじゅうぶん競争できると自信を持つ。同社の料金は1キロメートルが、9900ドン(約50円)で、ラッシュアワーでも同じ価格だ。専門家らによると、この料金は現在のベトナムのタクシー最大手で外資系のグラブ社の、非混雑時の料金よりも安い。そのうえ、3社のネットワークのおかげで、ハノイ市内の12区でタクシーを走らせることができ、待機時間も平均で2分ほどに短縮されたという。

3社との契約によって、G7のタクシー保有台数は3000台となり、一躍、ハノイで車両保有台数がもっとも多いタクシー会社になった。ハノイ市内には、約70社のタクシー計1万7000台が走っているが、1000台以上を保有するタクシー会社は少なく、これまで地場の企業が最大手のグラブなどと競争することは難しかった。既存の中小タクシー会社を連合体とするこのシステムの登場でそれが可能になるとあって、G7タクシーに対する期待は高まっている。