ベトナムの若者たちのお正月

ベトナムの若者の間で、お正月の迎え方が変化してきている。家族と共にお正月を迎えるという従来の伝統とは異なり、国内外の観光地をバイクで訪れ、正月休みを満喫するという新しい流行があるという。

若者の間ではバイクで行く観光地が人気だ。モックチャウ高原やハザン省の石山、ホアビン省のサパ、マイチャウ、パーコー、バクザン省のドンカオ、クアンニン省のビンリエウ、ソンラ省のタースアなど、ベトナム北部の山間部が人気を集める。

フォトクラブという団体の管理者であるヴァン・フンさんは「お正月の前や最中に旅行に行くからといって、家族としての責任を忘れたというわけではありません。」と語る。ハティン省出身で文学専攻の大学生、ホアン・ソンさんは「家族と一緒にお正月を楽しむのは素晴らしいことですが、バイクでのお正月旅行を通して、仲間と思い出を作ったりその土地の文化を学ぶことができます。」と話した。また、ハノイ交通運輸大学で学ぶホアン・ロンは、「2017年は、梅の花が咲き乱れるナーカの谷などに友達と行きました。本当に良い経験でした。今年はサパでお正月を迎えたいと思います。」と今年の計画を教えてくれた。

Phuot.comの積極的なメンバーのヴ・コンは「私の両親は、いつも私が新しい土地へ旅行することに賛成してくれます。交通安全に気をつけることや、その土地での風俗習慣に従うことなどアドバイスもくれます。特に少数民族の文化を尊重するようにと言われました。今までにお正月を旅行先で過ごしたことは3回ありますが、どれも素晴らしい体験でした。今年はソンラ省にいこうと計画しています。お正月をソンラ省で過ごし、3日にハノイに帰って、親戚にお正月の挨拶にいこうと思います。」と話す。

しかし、バイクでの旅行は楽しいことばかりではないようだ。Phuot.com のメンバーのリンさんは苦言を呈する。「バイク旅行に向かう人達の中には、とても傲慢な人が多くいます。バイク旅行の知識や技術、十分な装備もないまま出発する人が多く大変迷惑です。結果的に悲惨な交通事故につながったケースもありました。また、お正月はほとんどの店が休業します。食事や宿泊場所の確保、壊れたバイクの修理は、バイク旅行でも難しいことの一つです。オープンしているお店もありますが、通常時の3、4倍するほどの高い金額を要求されることもあります。お正月にバイク旅行をするなら、必ず寝袋や十分な食料を準備してから出かけてほしいです。」

若者にとって、お正月休みは喜ばしいものだ。お正月休みを利用してのバイク旅行は、少数民族の文化を学んだり、新しい土地を訪れたりできる絶好のチャンスである。学びへの意欲を持っていれば、バイク旅行はただの旅行にとどまらず、若者にとって実りの多い有益なものになるはずだ。