ベトナムの水産物輸出 世界代4位にまで成長

ベトナム農業農村開発省傘下の水産物総局のチャン・ディン・ルアン副局長はこのほど、ベトナム産の海産物輸出が、ノルウェー、中国、ロシアに次いで世界第4位になったと発表した。アジアで第2位、東南アジアでは第1位だという。

3月15日が、ベトナムの水産物総局設立60年周の記念日だったことから、会見が開かれた。それによると、ベトナム産の水産物は、今では世界170ヵ国に輸出されるようになったという。

2019年の水産物輸出目標額は、前年比11%増の100億ドルとされた。目標達成のために、水産物業界では組織を再編し、2025年に向けたベトナムエビ養殖事業発展計画などの実現を目指して尽力する。

ベトナムの水産業は60年で大きく飛躍した。1986年には84万トンだった水産物生産量のうち、天然の水産物が60万トン、養殖漁業の水揚げは24万トンだった。輸出額は、1億ドルだった。

水産物の品質を高め、多様化を図って先進国への輸出を促進したことから、水産物の生産量は1995年には134万トン、輸出額が5億5000万ドルにまで成長した。その内訳は、天然水産物が92万8800トン、養殖漁業が41万5300トンだった。

さらに2018年には、水産物生産量は740万トンで、1995年の約5.6倍に達した。養殖漁業の生産量は389万トンで、1995年の4倍となった。2018年の水産物輸出金額は、過去最高の90億ドルだった。

安定的なベトナムの水産業の発展は、ベトナムが国際社会の仲間入りを果たしたことや、遠洋漁業用の船の開発、島しょ部などでの物流施設の建設などが追い風となった。また、輸出向けの海産物として、メコンデルタのクルマエビ養殖事業が飛躍的に伸び、現在も引き続き重要な成長分野となっている。

60周年を記念し、水産物総局ではさまざまなイベントを企画。3月30日から4月1日まで、クアンニン省では、水産業についての展示会のほか、トンキン湾の水資資源を再生するための繁殖の試みなどのほか、トンキン湾におけるベトナムと中国の魚業協力協定の実施に関するセミナーなども開催する予定だという。