「樹木コレクター」

世の中には、さまざまなコレクターがおり、これと思うものがあれば、どんなことしても手に入れて、周囲の人々を驚かせる。このほど、ハノイ市の植物収集家が、門柱に複雑にからまったイチジクの樹にすっかり魅せられ、所有者に頼み込んで門柱ごと譲り受けた。

写真㊤=神話に登場する不死鳥のような形をしている木

フォン・クオック・ティンさんは収集用の植物を物色するため、知人のナムディン省のホアン・ビンさん宅に滞在した。その際、ビンさん宅の門柱にからまって地面深く根を張っている立派なイチジクの樹を目にした。まるで生き物のように伸びる樹の姿がいたく気に入ったティンさんは、この樹を譲ってくれるようビンさんに頼んだが断られた。しかし、あきらめきれなかったティンさんは2日後に再びビンさんを訪ねて、「門柱ごと譲ってほしい」と懇願。ようやく交渉が成立した。

ハノイ装飾生物協会の会員で、30年間にわたって植物のコレクションをしているティンさんは「この樹は、風水的にもよいスタイルで、音楽に合わせて舞う神話の不死鳥のようだ。からまった根は力強く太古の力を感じさせる」と満悦の様子だ。

ティンさんに樹を譲ったビンさんは、装飾用の植物を作る家系に生まれた。このイチジクは、植木鉢で10年以上育てた後、2004年に門柱の上に移したという。