旅行業者の違反厳罰化 無免許や悪質行為一掃へ

旅行客に無理やり買い物をさせたりする悪質な業者に対して、300万ドン(約1万4000円)以下の罰金を科すなど、政府は旅行業者の違反行為を厳罰化する政令を公布する。

写真㊤=海外からの観光客が急増するベトナム。無免許や買い物を強要するなどの悪質業者を厳罰化する政令が公布される

新たに公布される政令第45号/2019/ND-CPは、業界の「秩序と規律」をただし、広く浸透させることがねらい。具体的には、外国人ガイドを雇う際、偽のツーリストガイド・カードを使用したり、国家の歴史をゆがめるような誤った情報を提供したりした場合、9000万ドン(約42万円)の罰金が科される。

外国人ガイドを不法に滞在させた場合も同様に違反の対象となる。違反者に対しては2年以上の免許停止や車の没収、旅行代金の払い戻しも命じられる。

また、観光客に対する危険行為や事故、観光客から不正な利益を得ていることを知りながら、当局に通知しなかった場合も300~600万ドン(約1万4000~2万8000円)の罰金が科される。

一部は従来の条文の罰金を強化する内容で、一例を挙げると、無許可営業の罰金は4000~5000万ドン(約18万8000円~23万円)から9000~1000万ドン(約42万3000円~47万円)に強化される。

ベトメディアトラベル合資会社のチャン・バン・ロン・ジェネラルディレクターは、「規制の中身は非常に具体的で明瞭」と受け止める。一方、ベトトラベルの担当者、グエン・チェン・ダット副所長は、「抜け道のないように、もっと厳密にすべき規定もある」と指摘する。

今回の政令については、業界も大きな関心を寄せている。中でも、観光客がビザの期間を超過して滞在させたときや事故の通知が遅れたケース、目的地につくまでの間の引率ができなくなってしまった場合などの罰則に、関心が集中しているという。ベトナム旅行会社協会(VISTA)のブ・チェ・ビン会長は「業者は、まず政令や罰則について学ぶべきだ。もし不合理なことがあれば、修正案をVISTAに提案してほしい」としている。