電力不足、22年に118億キロワット時に=電力プロジェクトの遅延で

 ベトナム商工省によると、ベトナムは2021年に66億キロワット時、22年には118億キロワット時の電力不足に直面する可能性がある。新規の発電所建設といった電力プロジェクトの遅れが原因で、同省では大規模プロジェクトの促進や、節電意識の向上を呼び掛けている。国営ベトナム通信(VNA)などが伝えた。

 同省の電力・再生可能エネルギー局のフオン・ホアン・キム局長によると、電力不足の主因は「第7次電力マスタープラン」で示された計200メガワット超の電源を開発する電力プロジェクトの大半が遅延しているため。20年までは国内の電力需要に対応できる見込みだが、需要が予想を上回ったり、水力発電ダムの水量不足、または発電所向け石炭や天然ガスが不足したりする事態になれば、電力不足になるリスクはある。
 19年上半期(1~6月)、猛暑が続いたため電力消費量は前年同期比10%増加した。今後も年末にかけて同様の状態は続くと予想される。
 商工省のホアン・クオック・ブオン副大臣は、電力プロジェクトの遅れは資金と建設期間の問題だと指摘。同副大臣は「プロジェクトは投資額20億ドル以上と大規模なものが多く、建設期間も長期に及ぶため、実施可能な請負業者を見つけることは容易ではない」と説明する。その上、プロジェクトに政府保証が付与されなくなったことで、事業者は資金調達が困難になったという。
 また、ベトナム電力公社(EVN)が手掛けるBOT(建設・運営・譲渡)事業で、EVNとの電力価格交渉が長い時間を要することも遅延を招いていると指摘し、政府は工期の短い再生可能エネルギー事業の促進に力を入れるべきだと提言。電力不足を解決するため、商工省はラオスおよび中国からの電力輸入を検討する方針だが、これは一時的な解決策にすぎず、国は大規模電力プロジェクトの進捗(しんちょく)を促す必要があると述べた。
 商工省・省エネルギー局のチン・クオック・ブー副局長は、企業の節電意識を高めなければならないと主張。一部の企業は、今年の電力消費を10%削減する契約をEVNと交わしているという。(時事)