ベトナムで増加する模倣品、日本企業が抱える課題とは

模倣品被害や知的財産権の侵害行為に対し、日本政府は2012年から、ベトナム当局とその対策に乗り出している。経済産業省模倣品対策室の北中忠氏は、ベトナム経済ニュースの取材に応じ、「適切に対処するには、まず日本企業とベトナム当局との情報交換が不可欠だ」と語った。

-ベトナム当局の模倣品対策や知的財産権保護の取り組みについて、どのように評価していますか

「ベトナムの税関当局はこれまで、知的財産権の保護と模倣品の撲滅に重点的に取り組んできた。こうした取り組みは、市場経済を安定させ、国内取引や生産を促進させるほか、海外投資の誘致にも貢献している。また当局は、企業利益の保護にも積極的だ」

「2012年以来、日本政府はベトナム側と協力して、当局が知的財産権の利点を理解できるよう情報提供などを行ってきた。両国は意見交換や議論を通して、模倣品や知的財産権の侵害行為の撲滅を目指している」

-模倣品対策において、現状どのような課題がありますか

「模倣品や知的財産を侵害した商品は国内外で生産され、国境を介してベトナムへ持ち込まれる。消費量が多く、人気のある商品ほど模倣されやすい」

「偽物と本物の見分けが難しいため、知的財産権を管轄する当局と権利所有者の間には、密接な連携が必要だ。偽物を見抜くためには、企業が製品情報を当局に提供する必要があるからだ」

-日本企業はベトナムで、模倣品や知的財産権をめぐる問題に直面していますか

「ベトナムでは、模倣品や知的財産権を侵害する商品が増加する傾向にある。適切な解決策を講じるためには、日本企業とベトナム当局との間で情報交換が不可欠だ。加えてベトナムは、税関当局や市場管理部門が脆弱であるため、日本企業が自社の法的権利を守るためには、定期的に模倣品や知的財産権侵害に関する情報をベトナム側に提供する必要がある」