シェアリングエコノミーを加速 ルール作りやモデル事業推進

アプリを使った配車サービスなど、インターネットを介して個人間でモノや技術を貸し借りするシェアリングエコノミーが急速に普及している。こうしたなか、グエン・スアン・フック首相はさまざまな社会実験を含むシェアリングエコノミーの発展に向けた国家計画を承認した。計画投資省が他の省庁と連係しながら、シェアリングエコノミーの監督や現行法の修正を行う。

写真㊤=拡大するシェアリングエコノミー。配車アプリは、すでに激戦状態となっている

ここ数年、ベトナム国内ではさまざまなシェアリングエコノミーのモデルが普及している。 配車アプリのウーバーやグラブ、 民泊のエアビー。しかし、これらの分野ではまだ明確なルール作り行われていないのが現状だ。

今回の計画は、サービス提供者から利用者まで、シェアリングエコノミーに含まれるすべての団体の権利や法的な立場を保護することが目的。同時に、デジタル経済を発展させる創造的なイノベーションやデジタル技術も奨励する。また、合法的な経済発展のために、国の厳格な管理も必要だとしている。基本路線として、シェアリングエコノミーのモデル事業と従来の企業の間の調和をとりつつ、国内と海外企業間でのサービスの品質を保証し、旧来の企業が新たな経済的な波と歩調を合わしながらアップグレードできるよう、フェアなビジネス環境を創造していくことを主眼としている。同時に、外部システムへのアクセスを制限した 「サンドボックス(砂場)」と呼ばれるモデルを通じたシェアリングエコノミーの実験にも取り組む。

計画の実行に向けて、フック 首相は、各省庁や担当局にシェアリングエコノミー支援に向けたルール作りを指示。ベトナム国立銀行には、ウェブサイトを通じてお金の貸し手と借り手を結びつけるピア・ツー・ピア(P2P)レンディングや ITと金融を融合したフィンテック、 電子商取引 についてのルール作りを、運輸省に輸送に関連した法律改正の草案作成を、商工省には持続的な生産と消費を加速させるシェアリングエコノミーのモデル事業の促進策作成などを割り当てた。