密輸砂糖、年80万トン=業界に深刻なダメージ

 オンラインメディアのベトナムネットなどによると、ベトナムでは毎年80万トンの砂糖が密輸入され、それによって多くの製糖工場が閉業し、サトウキビの栽培を放棄する農家が相次ぐなど、国内の砂糖業界は深刻なダメージを受けている。

 製糖会社のコントゥム・シュガーは、2018年7月~19年6月の売上高が目標額7635億ドンに対して3332億4000万ドン、税引き後利益は同66億4000万ドンに対して45億ドンにとどまった。同業のソンラ―・シュガーも同様の状況だという。
 密輸・詐欺・偽物対策指導委員会(国家389指導委員会)のチュオン・バン・バー氏は、このほどホーチミン市で行われた会議で「砂糖の密輸は増加し、巧妙化している。主にタイからカンボジアを経由してベトナム南西各省の国境ゲートから持ち込まれている」と説明した。
 ベトナム・サトウキビ砂糖協会の幹部は、国内の砂糖需要が生産能力を上回るため、本来なら、より高値で売ることができるはずだが、年間約80万トンもの砂糖が密輸されるため逆に値段は下がっていると話した。
 バー氏は、密輸対策として、すべての砂糖に原産地の記載を義務付けることや、密輸業者に対する厳罰を提言した。
 20年1月1日からは、東南アジア諸国連合(ASEAN)物品貿易協定(ATIGA)によってさらに多くの砂糖が流入し、生産能力の小さい工場は特に厳しい状況に直面する可能性がある。そのため、ベトナム・サトウキビ砂糖協会は、ATIGAの実施を3~5年間延期するよう政府に求めている。ただ、商工省のチャン・クオック・カイン次官は、国際合意は守らなければならず、ATIGAの実施遅延は不可能だとの認識を示し、より効果的な密輸対策を実施すると述べた。(時事)