企業への配慮、最低資本金額などで注文=会議でPPP法案を討議

 ベトナムのハノイで先ごろ、官民連携(PPP)方式公共事業に関する法案を討議する会議が開かれた。会議では識者らが、対象となる事業の最低資本額が少ないことや、官民でのリスク共有の仕組みがないことなどの問題点を指摘。こうした指摘を踏まえ、計画投資省は近く国会に法案を提出する方針で、2020年5月にも成立を見込んでいる。国営ベトナム通信(VNA)が伝えた。

 会議でグエン・ニャット運輸副大臣は、現在政府が進めるPPP事業289案件のうち76%超の220件は運輸インフラ事業だと指摘。また、PPP事業のうち民間が建設、運営し政府に引き渡すBOT型事業の資本総額は210兆ドンに達しており、PPP方式は限られた政府予算を補っている点を強調した。しかし同時に、インフラ事業は15~20年と長期にわたりリスクも高く、現行法制はこうした側面に配慮してより多くの民間投資家の参画を促しておらず、改善が必要だと強調した。
 ベトナム投資開発銀行(BIDV)でチーフ・エキスパートのカン・バン・ルック氏は、BIDVは中・長期資金の融資を専門に手がけているが、現在事業再編の過程にあり、全てのPPP事業の資本要件を満たすことはできないと説明。一方で、他の金融機関は長期の融資が不良債権化することを懸念し、短期資金の融資を好みがちだと指摘した。
 ルック氏はまた、法案が規定するPPP事業の最低資本金額が2000億ドン(860万ドル)と、国際的な水準である5000万~1億ドルと比べ大幅に少ない点に懸念を表明。さらに事業の進捗(しんちょく)が遅れがちなことについても、投資効率を下げ有力投資家を敬遠させているとして改善を求めた。
 一方、クオントゥアン開発投資(IDICO)社のグエン・バン・カン副社長は、BOT方式で建設した料金所で料金支払いを拒む人がいた17年のケースを挙げ、関係当事者の義務などを明確にした規則がなければ投資家企業は損失を被ることになると訴えた。(時事)