テトラパック、ハノイの小学校で紙容器のリサイクル開始

世界的な紙容器メーカーのテトラパックは、ハノイ市の16の区にある800の小学校と幼稚園で、紙容器の再利用を進めるスクール・リサイクル事業を開始。参加する学校数は、ハノイ市とホーチミン市で計1400校となった。さらに同社は、2020年にはダナン市やビンズオン省にも事業を拡大させたい考えだ。

写真㊤=テトラパックはパートナー企業らと共同で、ハノイの小学校と幼稚園でリサイクル事業を開始

スクール・リサイクル事業は、ハノイ市天然資源・環境局や同市教育・訓練局、同社のパートナー企業であるドン・ティエンペーパー、Lagom、NHC、ビナミルクなどの協力の下、使用済み紙容器を分別、回収、リサイクルする初めての大規模なプロジェクト。

参加した子供たちは、使用済み紙容器の四隅を広げ、平らにして収集用のごみ箱に入れるという簡単な手順を教えられる。集められた紙容器は、Lagomによって2週間に1度回収され、ドン・ティエンペーパーの工場へ搬送された後、ノートなどの材料に再生される。


紙容器のリサイクル工程

プロジェクトの最終目標は、小学校で使用済み紙容器を分別、回収することだけでなく、各家庭に紙容器をリサイクルする習慣を根付かせ、使用済み資源を再生することにある。

12月14、15日には、スクール・リサイクル事業のキックオフセレモニーが行われ、紙容器の材料調達から生産、有用な製品へリサイクルされるまでのライフサイクルを描いた「紙容器の持続可能な旅」が紹介されたほか、100個の使用済み紙容器を1本の小さな木に交換する取り組みや子供たち向けの催しも行われた。

これらのイベントには数千人の参加者が集まり、主催者らは紙容器の分別、回収、リサイクルを推進するメッセージを広く伝えた。

こうしたサスティナビリティの実現は、テトラパックのバリューチェーン全体の中核となる優先事項の1つだ。同社は、森林管理協議会(FSC)と協力して、使用する紙容器の全ての板紙材料を、責任ある森林管理が行われている再生可能な森林から調達している。ベトナムでは、テトラパックの紙容器のほぼ100%が、FSC認証紙で作られている。

2019年7月、ビンズオン省に開業した同社の包装材料の生産拠点は、最新かつ最も厳しい環境基準であるLEED認証に則ったベトナムで初めての工場の1つ。エネルギーを最大36%削減し、年間2100万リットル以上の水を再利用し、4000トンのCO2排出を抑制できる。

テトラパックは2022年までに、100%植物由来の材料で作られた包材を提供するという強力なビジョンを掲げ、最終的に、ごみや埋め立てに回る紙容器をゼロにすることを目指している。目標達成のために、同社はスクール・リサイクル事業に加え、消費者が使用済み紙容器を収集できるよう、地元機関と積極的に連携して、約30の公的な回収場所の確立とその拡大を進めている。