新年迎えたベトナム フック首相がASEAN議長就任挨拶 各地では花火などの初春行事も

西暦2020年の新年を迎え、ベトナムのグエン・スアン・フック首相が1日、ASEAN加盟各国の首脳らに向けて、「健康と多くの幸福、成功に満ちた一年となるよう祈っています」とASEAN議長国就任の挨拶を行い、域内の連携実現への協力を要請した。また、ベトナム各地でも、さまざまな新年行事が行われ、市民らが新しい年を歓迎した。

フック首相は新年のあいさつで、「ASEAN地域だけでなく世界的にも、今年も、予想不可能な困難が持ち上がる可能性はある」としながらも、「『統一され、平和で持続可能な、繁栄するASEAN』が、われわれの共通のゴールだ。その達成に向けた各国の前進を、どんな障壁も妨げることはできない」と力強く語った。また、課題を解決し、より明るい地域と人々の未来を築き上げるために、「団結力と対応力のあるASEANが必要だ」と強調した。

今年1年間、ASEAN議長国を務めるベトナムは、連携強化と各国間の協調、地域におけるベトナムの存在感の増強、地域内外での国際関係強化、ASEANの業務効率化の促進などを推し進めたい考え。近隣諸国に、「ともに手をたずさえ、地域の繁栄と持続可能な発展を実現しよう」などと呼び掛けた。

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一方で、全国では2020年の幕開けを祝い、さまざまな行事が繰り広げられた。

ハノイ市中心部のホアンキエム湖周辺では、年越しイベント「カウントダウン2020」が開かれた。イベントは同市人民委員会とベトナムテレビ(VTV)、ベトテルの共催。約20万人の市民らが繰り出し、100組以上が出演するステージを楽しんだ=写真㊤。

当日はさまざまな分野で、国際的な成果をあげたベトナム人の表彰も行われた。昨年、世界コメ品評会で1位に輝いたコメを生産したホー・クアン・クア氏、ベトナム国産の人工衛星第一号「ミクロドラゴン」制作にあたったエンジニア集団「ST25」などが、ステージで紹介され、市民らに称えられた。

ベトナム各地でも新年のカウントダウンやイベントが繰り広げられた。ホーチミン市では、新年を祝う花火が打ち上げられた=写真㊦。ビンタイン地区のランドマーク81タワーや、同市の1区と2区を結ぶツーティエム・トンネル、11区のダムセン公園などでそれぞれ、年越しの瞬間をまたいで約5分の花火ショーが繰り広げられた。

同市1区タイントン通りにある同市人民委員会の建物では、壁面を利用して映像を映し出す3Dマッピングなど、光の芸術が披露された。