ベトナムの国民経済大学の研究によると、ベトナムは大気汚染により、年間約108億2000万~136億3000万ドルの経済的損失を受けている。同大学のディン・ドク・チュオン准教授が14日にハノイで行われた会議で報告し「国内総生産(GDP)の4.45~5.64%に相当する額だ」と述べた。オンラインメディアのVNエクスプレスなどが伝えた。

 チュオン准教授によると、経済的損失には、健康診断や空気清浄機の費用といった直接的なものから、大気汚染による死亡や労働生産性への影響、国際社会におけるベトナムのイメージ低下まで含まれる。同氏の10年間に及ぶ研究では、ベトナムは大気汚染が原因で年間約5万人が死亡している。
 同氏は、ベトナムの大気汚染の原因として、▽エネルギーの非効率な使用▽化石燃料への依存▽汚染を引き起こす産業への直接投資が海外から集まったことによる弊害-の三つを指摘。「ベトナムはFDI汚染の楽園」とも呼ばれていると強調した。
 同大学のチャン・ト・ダット学長は、大気汚染は経済活動の結果だとして規制の必要性を強調。地方当局者は、ハノイとホーチミン市の大気質は製鉄所、セメント工場、石炭火力発電所、個人車両の増加、建設工事によって悪化していると主張した。
 別の出席者は、ベトナムは国内総生産(GDP)の伸び率が2018年は7.08%、19年も7.02%を維持したが、長期的な大気汚染は海外からベトナムへの投資を低下させ、国内総生産の5%を損なう可能性があると指摘した。(時事)