背景に不正アカウント横行? Netflix無料体験終了

米動画配信大手、Netflix(ネットフリックス)がベトナムで提供していた1カ月の無料体験サービスをこのほど終了した。同社は、理由について説明していないが、ベトナムでは格安の不正アカウントの販売や転売が横行していた。

写真㊤=Netflix無料体験格安アカウントの販売をするネット広告

Netflixは、月額の契約料金を支払うことによって動画を視聴することができるサービス。以前は、正式契約前に1カ月の無料体験ができるサービスを提供していた。大手のクレジットカードがあれば、このサービスを受けることができた。無料体験期間が過ぎれば、月単位で課金されるが、無料体験期間中はいつでも解約が可能だった。

ベトナムでこのプログラムがこのほど終了。サービス開始と同時に契約金を支払わなくてはならなくなった。終了についての公式な説明はなかった。

一方、インターネットではNetflixの格安アカウントの販売や転売が横行。通常、正規のウルトラHDサービスパッケージは26万ドン(約1210円)だが、ネットやSNSでは2万~5万ドン(約90~230円)という格安価格で取り引きされている。安さにつられて、正規契約せず、格安で無料視聴できるアカウントを購入する人も多かったという。

これらの格安アカウントは、大半が不正品とみられ、架空のカードや盗難カード、転売されたカードなどが利用されているのだという。アカウントは4人で共有できる仕組みで、販売者はアカウント1件ごとに10万ドン(約460円)の利益を得ているという。

本来、無効なカード情報を使うため、多くの格安アカウントは短期間で使用できなくなってしまう。通常、こうしたケースでは販売者はユーザーに〝保証〟をしなければならないが、多くの業者は責任をとらないという。しかし、今回の無料体験の停止によって、無料体験期間を悪用する不正アカウントに関しては、決着することになりそうだ。