ベトナムで「アオザイ週間」 国際女性デーに合わせて着用奨励

ベトナム女性の民族衣装であるアオザイの着用を奨励する「アオザイ週間」が、今月2日から8日まで、全国で展開された。「ベトナム文化遺産、アオザイ」と題して全国でアオザイの着用が奨励され、街なかでアオザイ姿の女性たちが目立った=写真。

イベントは、ベトナム中央女性連合と文化スポーツ観光省が提唱。同連合の設立90周年と合わせて、3月8日の「国際女性デー」110周年を祝って行われた。

洋装が主流になったベトナム社会において、アオザイの美しさや文化的価値を見直してもらうことがねらい。文化遺産として重要な役割を担う伝統衣装をPRし、ベトナム女性の尊厳の再確認を促すという。

この期間中は、各地域の女性連合構成員や公務員が率先してアオザイを着用したほか、働く女性たちにもアオザイの着用が奨励された。FacebookなどのSNS上でアオザイの写真コンテストが開かれたほか、各地でアオザイのファッションショーなどが開催された。

昔のベトナムの人々はアオザイに、女性の美しさ優雅さを見出しただけではなく、「美徳」や「正しいふるまい」などの願いも込めたとされる。さらに、ベトナムの文化や芸術の歴史のなかで、アオザイの美しさはベトナムそのものの象徴で、ベトナム人のアイデンティティーや精神性を体現したものとされる。

アオザイは、社会的地位などにかかわらず、あらゆる年代が着用できる。現代でも公式な場や国の祝日、テト(旧正月)、重要な会合などに着用される礼装であり、卒業式や結婚式を彩る衣装でもある。アオザイはベトナムの女性のシンボルであるとともに、世界にベトナムの女性たちのイメージを発信する、重要な役割をも果たしているのだ。