ベトナムのグエン・スアン・フック首相は、新型コロナウイルスの対策会議を開き、感染防止を徹底するため、国民に、不要不急のサビース提供の停止や、外出の自粛、寺院などの施設での大規模な集会の禁止などを要請した。国民には、「今後2週間が、感染拡大の抑制のために非常に重要だ」として、行動制限に理解と協力を求めた。

感染拡大を受けた政府の対策会議で、フック首相は、新型コロナウイルスの感染予防のために、企業や個人から集まった善意の支援金は、3050億ドンにのぼったことを報告。このうち、オンライン経由での支援金は600億ドンだったという。

フック首相は、「企業経営なども難しくなるなか、全てのベトナム人が、協力して困難を乗り越えようと心を一つにしてくれている」と話した。さらに、個人だけではなく、家族や会社、地域コミュニティ単位でも、真剣に予防対策に取り組み、実践することが必要だと強調した。

今後、各省や市の人民委員会と公安省は、順番に各家庭を訪問し、3月8日以降の海外からの帰国者や入国者の情報を集め、徹底的に健康状態などの確認を行う方針。その後、感染リスクなどで分類して、必要があれば医療機関の診断や隔離を行っていく。


写真=政府による新型コロナの対策会議

保健省は、このようなさまざまな措置に必要な予算概要を提案。集団隔離の場所については、ホテルでの集団隔離と検疫は、外国人を優先することとした。航空機と鉄道、バスといった国内の交通機関でも感染予防策をしっかり広め、管理を徹底する。

さらには、新型コロナウイルスの検査や医療診断の適切な実施計画を策定し、それに基づいて迅速な感染者のスクリーニングや隔離を行っていくとした。隔離要請などに応じない場合は、刑事罰を課すとした。

現時点では、新型コロナウイルスの感染は、保健省と国防省、公安省などが全力を挙げて協力しており、事態はコントロールされていると判断。フック首相は、「ベトナムは、感染拡大予防の原則を堅持し、新型コロナウイルス伝染の予防と検疫、隔離を適切に行うことで、伝染の連鎖を断ち切る」と宣言した。

一方で、保健省には、治療方法の発見を急ぐよう、また、地方自治体などと連携して、国民の健康と安全を守るよう指導した。