3月24日は、ベトナム風のサンドイッチ「バインミー(bánh mì)」の単語が、英国の「オックスフォード英語辞典」に追加された日だ。この9周年を記念して、今年3月24日、検索サイトGoogleのトップページに表示される「グーグル・ドゥードル(Google Doodle)」とよばれるイラストで、バインミーの絵が採用され、世界に向けベトナムの味がPRされた。

3月24日のバインミーをモチーフとしたグーグル・ドゥードルでは、バインミーに含まれるベトナム風のパテやハム類、薬味の野菜などが描かれた動画が使われた=写真。ベトナム版グーグルのGoogle.com.vnのほか、米国、カナダ、シンガポール、フランス、オーストラリア、スイスなどの11カ国で採用された。

ページでは、ベトナムのバインミーが、植民地時代にさかのぼるフランスとベトナムの長年の文化交流から生まれたことを紹介。細長いバゲットと呼ばれるフランスパンに、ハムとバター、チーズなどを挟んでいたフランスのサンドイッチが、小型のベトナム風のパンに、コリアンダー(パクチー)などの特徴的なハーブやタマネギ、パテ、ポーク、チキンなどを挟み、肉汁、チリなどで味付けするベトナム風サンドイッチになった。

時とともに、ベトナムスタイルのバインミーは、いろいろな味や具材を使って進化し、ベトナムだけではなく世界へも広がり、親しまれている。特に、南部ホーチミン市のバインミーは、米国の大手ケーブルニュースネットワークCNNでも、「世界でもっともおいしいストリート・フード」のひとつに選ばれている。

バインミーの世界的な人気と知名度を受けて、9年前、世界で一番信頼が高いとされるイギリスのオックスフォード辞典では、ベトナム語の「bánh mì」をそのまま辞書に追加した。バインミーがベトナムの伝統料理として世界的な認知をされたことの証明だ。

バインミーの知名度によって、ホーチミン市は食を楽しむ各国からの観光客の誘致に大きく貢献した。市も、地元独特のバインミーを「バインミー・サイゴン(Bánh mì Sài Gòn)」として、発信に力を入れている。

この記念日に合わせて、ホーチミン市の観光局は、3月24日から31日まで、グーグルやベトナム飲食文化連合と協力し、「サイゴン・バインミー大好き」と題して、さまざまなキャンペーンを展開している。