ベトナム軍メディカル・アカデミーと業務用機器などを販売するベトアテクノロジーの研究者はこのほど、2時間以内に新型コロナウイルスを検査できるキットを開発した。国内だけでなくオーストラリアやドイツ、フィンランド、イタリアなど、キットを必要としている海外の国々からも関心を集めている。

写真=国産で開発された新型コロナウイルスの検査キット。すでに海外からも問い合わせが寄せられている

検査キットはRNA(リボ核酸)をDNAに転換する逆転写ポリメラーゼ連鎖反応を基礎に開発した。ベトアテクノロジーのファン・コック・ベト・ゼネラルマネジャーは「すでに多くの注文を受けている。現状では1日約1万セットの生産まで可能と見積もっているが、必要ならば3倍にすることもできるだろう」と話す。製造は政府の融資で行われ、価格は1セット40~60万ドン(約1800~2700円)。

検査キットの研究、製造段階においてはISOの基準に準拠。正確性や再現性など4つの基準においてもテストが行われ、米国の疾病予防管理センター(CDC)やWHO(世界保健機関)の生体キットと同様の判定結果が出ているとしている。先月3日には、科学技術省国家技術科学委員会の承認も得た。ベトナムが中国や米国、日本と肩を並べてこうしたキットの大量生産に成功したのは初という。

同省のファム・コン・タック副大臣は「信頼性と安全性を十分保証しつつ大量生産を行うのはハードルの高い課題だが、国内研究者のレベルを信頼して、国力を総動員して多くの人命を守っていかなくてはならない」と強調した。