外出禁止措置を延長 ハノイ、ホーチミン市など12の市と省 新型コロナウイルス拡大防止で

4月15日の午後、ベトナム政府による新型コロナウイルス感染拡大防止対策会議で、グエン・スアン・フック首相は、ハノイ市、ホーチミン市など、12の省と市が対象となっている外出禁止措置の実施期間を延長した。15日までとされていたが、22日まで延長する。

新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、対策やガイドライン、日程などを強化したことを紹介し、フック首相は「落ち着いて行動し、感染しないように、外出制限などをしっかり守ることがとても大切だ」と呼び掛けた。また、各省や市の人民委員会に対して、人と人との間に2メートル程度の間隔をあける「ソーシャル・ディスタンス」の徹底を指導した。

対策会議では、ベトナム全土を感染拡大の度合いによって、「感染リスクの高い地域」「リスクのある地域」「リスクの低い地域」の3グループに分類した。具体的には、それぞれの地域ごとに、交通機関、工場労働時の人の密度、工業団地での対応などでの感染策について、国家指導委員会が具体策を報告した。

今後も、それぞれ3グループのリスクの度合いに照らして、必要不可欠な外出、生活に必要な店への買い出し、公共交通手段の利用、大勢が集まる機会―などの場面ごとに分けて、許可を出したり、管理したりする。

高リスクのグループに入る12の省・市は、4月22日まで、不必要な外出を禁止する首相政令16号に基づき管理される。対象となるのは、ハノイ市、ダナン市、ホーチミン市と、バクニン省、ビントゥアン省、カインホア省、ラオカイ省、ニンビン省、クアンナム省、クアンニン省、ハティン省、テイニン省。期限となる22日までに感染拡大が終息していなかった場合、再延長される。医療機関などに加え、生活必需品の生産やインフラ建設、物流関係などの業種は、通常通りの業務を行う。

15の省と市が含まれる「リスク地域」は、制限が一部、緩和される。このグループに含まれるのは、カントー市、ハイフォン市、ビンズオン省、タイグエン省、ナムディン省、ハナム省、ドンナイ省、ゲアン省、トゥアティエン=フエ省、ソクチャン省、ランソン省、アンザン省、ビンフォック省、ドンタップ省、キエンザン省。

残る36の省は、「低リスク地域」とされ、新たな感染例が発生しないようにつとめる。

外国からの入国制限や国内の航空機運航規制などは、30日まで継続される。高リスク地域での外出制限措置については、政府は来週、再度対策会議を開き、各地の感染状況を分析したうえで、さらに延長するかどうかの判断を下すとしている。