南北高速のPPP区間、政府予算で=コスト増、不良債権懸念-ベトナム運輸省提案

 ベトナムで建設が計画されている南北高速道路について運輸省はこのほど、官民連携(PPP)方式での建設を予定していた8区間について、政府予算事業とするよう国会に提案した。コストを節減するとともに早期に共用開始する必要があるためで、金融機関の不良債権発生を懸念するベトナム国家銀行(中央銀行)も、政府事業への移管を強く求めている。オンラインメディアのVNエクスプレスが報じた。

 運輸省提案によると、8区間を政府事業とすることにより金利コストだけで民間投資に比べ19兆2000億ドン(8億2300万ドル)節減でき、総事業費はPPP方式で行った場合の当初見込みである118兆7000億ドン(50億ドル)から、16%安い99兆5000億ドン(43億ドル)に引き下げることができる。
 また、民間投資家は銀行融資を得るのが困難な情勢にあり、着工が2021年半ばにずれ込む可能性があり、完成も遅れることになる。同省は、用地買収は現在70%程度進んでおり、国会が同省提案を了承すれば20年内にも着工でき、22年に完工できるとしている。さらに、事業の早期着工は公共事業の執行を推進し、国内企業にインフラ建設への参画機会を提供して雇用を創出できるとしている。
 一方、国家銀は、国内の建設請負業者は8区間の建設を担う能力はあるとしながら、各区間5~10兆ドン(2億1400万~4億2900万ドル)と試算される事業資金を借り入れるのは困難だと指摘する。グエン・クオック・フン信用局長によると、民間企業が建設、運営し政府に返還する「BOT方式」で実施された国内の116事業のうち、59件では参画企業が借り入れ資金返済に窮しており、不良債権化しかねない案件もあるという。
 こうしたことからフン局長は、「南北高速の8区間建設は膨大なコストを要し、銀行融資は貸出限度額を超える可能性もある。8区間を民間投資から政府投資事業に移管することが、喫緊かつ必要なことだ」と強く訴えている。(時事)