主要プロジェクトに深刻な遅れ=外国人専門家ら、新型コロナの制限措置で入国できず

 【ハノイ時事】ベトナム政府が講じる新型コロナウイルスの感染防止を目指した水際措置により、外国人専門家が入国できず、主要な発電所や運輸関連のプロジェクトは深刻な遅れに直面している。オンラインメディアのVNエクスプレスが29日、業界関係者の見方として伝えた。
◇ハノイ都市鉄道、試験走行できず

 ベトナム電力公社(EVN)傘下の国家送電会社(NPT)は、中国、インド、インドネシアからの専門家の入国で問題に直面しており、今年予定する多くの建設工事や保守計画に遅れが生じる可能性があると懸念する。同社の幹部は、当面の解決策として国内の専門家を採用しているが、長期的には外国人専門家が必須だとしている。
 ハノイの都市鉄道1号線「カトリン-ハドン線」は、2月1日としていた試験走行の期限を延期した。テト(旧正月)休暇で帰国した100人を超える中国人専門家らが新型コロナ対策でベトナムになかなか戻れないことが響いている。
 ハノイ都市鉄道管理委員会は、多くの中国人専門家らが現在、職場に戻ったものの、新たな試験運転のタイミングを発表していない。
◇3月末時点で2.5万人戻れず
 ベトナム労働・傷病軍人・社会事業省によると、3月末時点で、ベトナムに戻れなかった外国人労働者は2万5000人。ベトナムで登録している7万人の外国人労働者の約3分の1に上った。
 このうち8500人前後は、外国人の専門家。運輸や発電所の関連プロジェクトや、韓国系のサムスン電子、LGといった外資系企業の事業運営で必要な人材という。
◇明確な指針が必要
 韓国商工会議所の最近のリポートによれば、ホーチミン市の労働・傷病軍人・社会事業局が外国人労働者に対する新たな労働許可書の発給を停止し、外資系企業の生産活動に大きな支障が生じている。ただ、労働省の担当者らは、労働許可書は外国人専門家が入国できない問題の主要な論点ではないと主張。ベトナムでの労働期間が90日以内の専門家には労働許可書が不要だと反論する。
 ある専門家は、新型コロナでサプライチェーン(部品供給網)の見直しが進む中、ベトナムにより多くの外国人投資家を引き付けるためには明確な指針が必要になると訴えている。