生果のライチのシーズンを迎え、ベトナムの有名産地のひとつ、バクザン省ではこのほど、同省人民委員会がオンラインで国際的な販促会議を企画するなど、ライチの販売促進を強化している。ライチはシーズンが6~7月だけと短いうえ、今年は新型コロナの影響による貿易への影響も心配されていることから、関係者らが対応に追われている。

オンライン会議は、今月6日行われる予定で、ベトナム側はバクザン省の会議センターに、ベトナム各省の関係者らが集まる。オンラインでつないで、ベトナムの中国大使館、日本大使館、タイ大使館の関係者、各地の関連企業や貿易会社などが参加する。ベトナムと国境を接する中国の広西チワン族自治区、雲南省なども加わる。

特に輸出の中心である中国向けには、会議終了後、ランソン省のフウギー国境ゲートで、中国むけの輸出サポート事業を展開していく計画。新型コロナウイルスの感染拡大対策として医療従事者を確保し、通訳、送迎車両などもベトナム側が手配するなど、販売者を手厚く支援する。

産地や農業関係者らは、ベトナム国内でのライチ消費の拡大にも力を入れている。ハノイ市、ダナン市、ホーチミン市、ドンナイ市などでは、ライチの販売促進イベントが行われた=写真。

ベトナム産のライチは昨年秋、日越両国が、バクザン省とハイズオン省産の果実の、今シーズンからの輸出解禁で合意。新型コロナの影響で、一時は準備の停滞が懸念されたが、準備が間に合い、近く日本にも果実が輸入される見込み。また、同じくライチの名産地である北部ハイズオン省は、シンガポールやアメリカ、オーストラリアへの輸出を始めた。