ベトナムのビール市場、課題と期待が交錯=当面は2桁の伸び見込めず―調査会社リポート

 【ハノイ時事】ベトナムの調査会社VIRACは5月下旬、国内ビール市場に関するリポートをまとめ公表した。ビールを消費する若い世代の拡大、所得の向上といった事業拡大のチャンスを指摘する一方で、年初から実施された飲酒運転の厳罰化や複雑な税制、事業免許といった課題に言及した。当面の市場動向に関しては、「過去数年間見られたような2桁の伸びを維持することはない。今後数年間、6~7%程度の伸びにとどまる」との見方を示した。

 リポートによると、2019年のベトナム・ビール市場は生産量が前年比22.9%増の50億リットル超、消費量は29.1%増の40億リットル超で、販売額は0.5%増の650億ドン超になった。缶ビールが全体の66.8%を占め、瓶ビールは29.9%、生ビールが3.1%だった。輸入ビールは8.9%増の3700万リットル超で、全体に占める規模が比較的小さく、低価格を武器に国産ビールが市場の大半を占めている。
 ビール業界にとって、今年初めからスタートした飲酒運転の厳罰化は大きな打撃となった。リポートは厳罰化により、多くの人がお酒とのつきあい方を見直しており、当面はこれまでのような高い伸びは期待できないと予想した。輸入時の税金、付加価値税など複雑な税制も課題の一つだと指摘。ビール生産への新規参入を目指す際には、商工省による免許制度が大きな障害になるという。
 ただ、ベトナムは30歳以下の若者が全人口の56%を占める若い国とされ、消費支出は20年までに約1700億ドル超に達すると見込まれている。新たに200万人を超える消費者が中間層になるとみられており、多くの外資メーカーが参入機会を模索している。リポートによれば、専門家らは「今年のベトナム・ビール業界には大きな変化が起こる」と見込んでいるという。