夏場を迎えたハノイ市では40度を超える暑さが続き、冷房使用などによる電力需要が急増している。EVN(ベトナム電力総公社)・ハノイは経済活動や市民生活の維持に向けて、万全の態勢で電力供給に努めている。

写真㊤=夏場のピークを前に電力の安定供給に向けて万全の態勢を整えるEVN・ハノイの職員

人口約1000万人に上るハノイ市では、電力消費が毎年10%増のペースで増加。温暖化や高層ビルの乱立などによって、暑さは年々厳しさを増している。約250万の契約者を抱える同社は、46の変電所と総出力6768メガ・ボルトアンペア、延長905㌔におよぶ最新電線網を運用。安定的に電力を供給できるようタイホ区変電所やトンニャットパーク変電所などの重要施設の整備、運用を進めてきた。

夏場対策のため、同社では何千ものパターンでシフトする最適化プログラムで電線網を管理。安全で効果的な電力使用方法についての普及活動にも力を入れる。雨季には、洪水防止のためにポンプ場への電力供給を優先し、24時間態勢で電力供給の安全を守ってきた。

ハノイ市の進めるスマートシティー化方針に合わせて、工場や企業などの産業用の技術開発も続けている。デジタルマップを使った設備管理プログラムなどを導入し、修理担当チームへのホットラインやモニタリングをオートメーション化した無人変電所も開発した。また、顧客サービスの一環としてキャッシュレスも進めており、18の銀行と仲介業者と協力し、料金の自動引き落としなどに対応。顧客の要望に応えるため、24時間態勢のカスタマーセンターも常に充実させるなど、これからの電力需要のピークに、あらゆる対策で臨んでいる。