インターネット上の情報安全性を評価 「レベルA」はダナン市、国家銀行など4組織

ベトナムの情報通信省と情報安全局(AIS)はこのほど、各省庁や地方行政当局などのインターネット上での情報保護や安全性を測る「2019年サイバーセキュリティ評価」を発表した。もっとも安全性が高いとされるレベルA相当となったのは、直轄都市のダナン市とベトナム国家銀行、地方行政組織のカントー省、ビンフック省の4組織だった。

情報安全局が今回調査したのは89の組織。国防や公安、情報通信を除く26の中央省庁、政府組織に加えて、計63の地方行政組織(直轄市と省)が対象となった。

さまざまなサイバーセキュリティ対策などをデータ分析し、基本的な情報安全指数▽組織のウェブやポータルサイトなどの堅固性▽ウイルスやマルウェアなどへの感染の有無▽情報漏洩のリスク▽監視情報の共有性―の5つの指標をもとに判定した。

その結果、もっとも安全性が高いレベルAとされたのは4組織だけだった。全体の約52%に相当する46の組織がレベルB、約36%を占める32組織がレベルCと判定された。

「情報通信面での安全性にようやく意識を向けはじめた程度」とされるレベルDも、8%近く存在した。「情報通信面での安全性に関心がない」というレベルE相当の組織はなかった。

情報安全局によると、サイバーセキュリティに対する関心は前年よりも全体的に高まっており、取り組みも増えたという。その結果、昨年と比べ、レベルBに相当すると判断された組織の割合が、大きく増えた。

昨年6月7日に、グエン・スアン・フック首相がインターネット上での情報保護やサイバー攻撃に対する防御などを各方面に求めた政令14/CT-TTgを発令したことも契機のひとつになったとみられる。これを受けて情報通信局が各方面に具体的な指示を発信し、各省庁や地方行政組織が、これらの指示に従って対策導入を図ったことが大きく寄与した。

国内トップレベルの情報の安全性と評価を受けたダナン市では、情報安全に配慮して設計したプラットホームを使い、サイバー上に集約された市のデータも安全性の高い状態で保護する手法を採用しているという。

同市のグエン・クアン・タイン情報通信局長は、「ダナン市は、電子行政を実現させ、インターネットを通じた情報やセンサー技術などで得たデータを有効活用する『スマートシティ』への変革に尽力してきた。情報保護の評価がレベルAとなったのは、その努力が認められた成果だと思う」と喜んだ。