勇壮な水牛の姿に歓声 ドソン闘牛祭

ベトナム北部のハイフォン市で、伝統のドソン闘牛祭がこのほど開催された。迫力ある水牛同士のぶつかりあいに観光客らから歓声が上がった。

水の女神に捧げる神事として、また、地域の人々の勇猛さを示す行事として毎年旧歴8月(10月)に開催されている。闘牛好きの大地の神を喜ばせることで、五穀豊穣や旅の安全、幸せをもたらすという地域伝承がルーツ。神聖な儀式とエンターテインメント性の2面を合わせ持つ行事として親しまれている。

闘牛の前には、一団の男女が旗を振り、太鼓をたたき、かけ声を上げながらにぎやかな踊りを披露する。その後、飼い主らによって闘牛場に引かれてきた2匹の水牛が向き合って角を合わせる。土けむりを上げながら、2匹がぶつかりあうと、観衆から大きな歓声が上がる。勝った水牛は、水の女神のいけにえとして捧げられる。

闘牛に出場する水牛は、最低でも4~5歳で幅広の胸と弓なりの立派な角、長い尾を持つなど、さまざまな条件を満たさなくてはならない。飼い主は、お金と時間をかけてラオスやミャンマー、インドネシアなど飼育に適した地で自慢の水牛を育て上げる。ドソン闘牛祭は2000年、国が承認する15の国内の公式祭りに、2012年には国家無形文化財にも登録されている。