バーチャルイベント活発化 コロナ乗り越える手段に

新型コロナウイルスの流行で多くのイベントが中止に追い込まれる中、オンラインによる見本市や国際的な会議の開催が活発化している。ベトナムではこのほど、太陽光発電をテーマにしたと「APAC ソーラーエネルギー・デジタルイベント 2020」と「ベトナム・ソーラー Eエキスポ2020」がオンライン形式で開催され、盛況のうちに幕を閉じた。〝リアル〟な会議や見本市などより、開催期間設定の自由度も高く、参加の垣根も低いため。パンデミックを克服する新たな手法として期待が高まっている。

9月17、18日から始まった「APAC ソーラー・エネルギー・デジタル・イベント2020」には、太陽エネルギー分野の約30の専門家と800の光電池産業に携わる関係者がオンライン会議に招待され、ASEAN地域の太陽エネルギー市場における知見と分析を共有。オンラインで初のビジネスマッチング・プラットフォームとしても注目された。参加者の40%以上は開発業者や投資家、IPP(独立系発電事業者)で、登録者の74%が東南アジアの企業関係者だった。

この一環として、10月20から22日まで開催されたオンライン会議には、29の国から230社と330人が参加。ネットを介した一対一の会談も40件行われた。会議には、国内の太陽エネルギー市場に関する意見共有のため30近い専門家が招待され、市場の現状と予測、入札制度の導入、電力網の容量分析、屋上設置のソーラーパネルなどさまざまなテーマについて議論が展開された。

一方、共催の「ベトナム・ソーラー Eエキスポ2020」は10月10日から30日間にわたって開かれた。1週目には1300以上の参加者が登録、出品者の用意したオンライン上のバーチャル・ブースを訪れ、商材を閲覧するなどした。実際に場所を借り切って行う従来の見本市のような制限がないため、長期にわたる開催が可能となったことなどから、参加者数は以前より増加した。

注目すべき点は、見本市のプラグラムの一つとして10月27日からの2日間、アクセスしてきた人がチャットボックスを通じて、専門家からのフィードバックをリアルタイムでもらうことができる〝ライブデー〟を設けたことだ。〝ライブデー〟のタグでは〝オンライン・テクニカル・セミナー〟のコーナーも設け、最先端の技術と製品に関するライブによるプレゼンテーションも行われた。

オンラインによるバーチャルイベントという新しいスタイルは、新型コロナウイルスの流行という困難を乗り越えるうえで、有望な手段として今後も注目されそうだ。