ハノイ、恒例の花火で新年祝う 新型コロナに配慮しつつ各地でイベント

2021年の到来を祝い、ベトナム各地で新春歓迎のイベントが繰り広げられた。首都ハノイでも、各地区の地方行政当局が交通安全と環境保護、新型コロナウイルスの感染抑制などの保健衛生面を検討したうえで、迎春イベントの実施に踏み切り、新年を祝う恒例の花火が、今年もハノイの空を彩った=写真。

毎年恒例のハノイ市の新年の花火は、今年は1日の午前零時から15分だけとした。ハノイ市のホアンキエム湖、トンニャット公園(ハイバーチュン地区)と、ミーディン(ナムトゥーリエム地区)の3カ所で打ち上げられた。

首都の中心部各地では、さまざまなカウントダウンイベントや新年を祝う催しや、アート展などが行われ、市民らの迎春ムードを盛り上げた。もっとも規模の大きなイベントは、市内の8月革命広場とハノイオペラ場前の2カ所で、1月2日に行われた。

また、ドン・キン・ギア・チュック広場では、光と芸術を組み合わせたショーが、大みそか午後8時から翌日元旦の午前1時まで繰り広げられた。リタイトー像前でも、2021年の到来を祝う新年のショーが繰り広げられるなど、ハノイ市内の10カ所で、さまざまな芸術プログラムが披露された。

一方で、ベトナム中部のダナン市では、自転車タクシーの「シクロ」を40台使ったパレードの実施で、一連の迎春イベントが幕開けした。

パレードは、今年2月1日まで同市が展開する「2021年迎春フェスティバル」の一環として行われた。今年の干支の丑年にちなみ、「黄金のバッファロー」のマスコットが先導。続く車両には、新年のダナン市の繁栄などの願いを込めた赤いアオザイ姿の少女らが、マスクを着用してシクロに乗り込んだ。

このほか、ダナン市を流れるハン川(香川)では花で飾った船や、夜景を楽しむナイトクルーズ船が運航し、川べりでは麺料理フェスティバルが開催された。また、街角のあちこちでストリートミュージシャンによる路上演奏なども行われた。これらは、ダナンらしい迎春の雰囲気で、市民や観光客らをもてなすねらいだという。

中部クアンビン省は、ベトナムがこれまで新型コロナウイルスの感染を封じ込めに成功していることを受けて、新年は観光客を再び呼び込みたい計画だ。そのために、インターネット上で、大規模な観光客誘致活動を新年早々から企画した。

同省は、検索サイトのグーグル社と提携。グーグルのアート&カルチャーのサイトで、定期的に同省の画像などをPRする。バーチャルリアリティー(仮想現実)で楽しめる映像や360度撮影の景観写真などで省内の名所や絶景を紹介し、デジタル上での観光キャンペーンを展開する。

さらにクアンビン省は、費用の面でも観光客らにアピール。世界最大級の洞窟とされるソンドン洞窟の見学ツアーなども含め、すべての観光施設の入場料を今年は、20~50%割引するという。

新型コロナウイルスの世界的な感染拡大の影響で、ベトナムの観光産業も大打撃を受けているのが現状だ。そこで、観光客や市民の健康と安全を守るための新型コロナ対策を徹底したうえで、今年は旅行代金の割引プランの実施なども検討されている。